広まるビットコイン、貨幣になる日は来るか 日本でも利用者が増加。仮想通貨の実態と今後は?
1月下旬、東京・六本木の飲食店ピンクカウ。店内では客が女性ダンサーに向かってスマートフォンをかざしていた。写真を撮っているわけではない。仮想通貨「ビットコイン」で彼女にチップを支払っているのだ。胸元に張ってあるQRコードをスマホで読み取ることで決済される。
「ビットコインでダンサーにチップを払うというのは世界初では?」とこの日のパーティの主催者の一人、宍戸健氏は話す。店に集う50人ほどの若者の多くはビットコインに興味を持つ人たち。店内の至る所でパソコンを開き、ビットコインに関する情報を交換していた。
ピンクカウのほか、着物のレンタルを行うさかえ屋呉服店(東京・原宿)、中国語教室ビーチャイニーズ(東京・文京)、ITコンサルティングのシンク・イメージ(東京・赤坂)など、ビットコイン決済を受け入れる事業者が日本でも増えつつある。
ただ、影の面も見逃せない。1月26日、ビットコインの利用促進団体「ビットコイン・ファウンデーション」の副会長を務めていたチャーリー・シュレム氏が、米ニューヨークで逮捕された。同氏の容疑は、ビットコインを使いマネーロンダリング(資金洗浄)に協力したというものだ。
今後、ビットコインは“貨幣”としての存在感を高めていけるのだろうか。
手数料の安さが魅力
決済手段としてのビットコインの最大の魅力は、手数料を節約できることだ。
たとえば海外への送金。日本のメガバンクを通すと3000~5000円程度の手数料がかかる。ところがビットコインであれば、取引相手次第だが、ほとんどかからない。
国内での取引手数料も安い。店がクレジットカード決済を利用すると、3~8%の手数料がかかる。しかし、ビットコインなら、取引業者にもよるが、1%未満で済む。
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