『逆転裁判』が宝塚歌劇で大盛況、ヅカと人気ゲームのコラボ《NEWS@もっと!関西》
カプコンの人気ゲームソフト「逆転裁判」が宝塚歌劇として公演された。ゲームを舞台化するのは、95年の歴史を誇る宝塚歌劇でも初めての試みだ。宙組の蘭寿とむが主演。公演はお膝もとの宝塚は2月5~15日、続いて東京は2月24日~3月2日まで行われ、それぞれ盛況裏に終えた。
逆転裁判は熱血若手弁護士が法廷バトルを繰り広げる推理ゲーム。2001年にシリーズ1作目が発売されて以降、今やシリーズ累計320万本を販売。ユーザーの女性比率が約4割と高いことも特徴である。同シリーズはこれまで、漫画やキャラクターグッズなどへも展開されている。
宝塚との「異色タッグ」は、どのようにして誕生したのか。逆転裁判の松川美苗プロデューサーに聞いた。
--チケットが販売と同時に即完売するなど、公演は大盛況でした。狙い通りですか
ここまで盛り上がるとは、想像していなかったですね。ゲーム業界の方だけでなく、テレビや広告業界の方などから、いろいろな反響をいただきました。いい意味で我々の想像を裏切ってくれた。宝塚さんとカプコンの本気のコラボレーションが、相乗効果として現れたのではないでしょうか。
チケットが入手困難だったので、「なんとか手に入りませんか」とカプコンにたずねてこられるケースもありました。が、残念ながら我々も手持ちのチケットがなかったほどです(笑)。逆転裁判のユーザーからも「チケットがとれない」との苦情が数多くきました。
公演された舞台を拝見したあとは、胸が熱くなりました。言葉にならない感覚ですね。ゲーム業界は派手な仕事と見られがちですが、実際はデスクワーク中心のコツコツとしたモノづくりを繰り返しています。その中で生まれたゲームソフトを、歌も踊りもある世界で再現していただいて……。初日の公演を開発スタッフ数人と拝見しましたが、終わった後にみんなでハグしました。涙がバーっとあふれて、号泣するスタッフもいましたよ。
--コラボレーション誕生のきっかけは?
発端は今から3年ほど前です。カプコンの社内で女性主体のプロジェクトチームが立ち上がったのですね。(逆転裁判に限らずカプコン全体の販売戦略などについて)30~40名ぐらいの女性スタッフの意見が集約されました。その中で、宝塚ファンのスタッフから「逆転裁判を宝塚で舞台化するというのはどうでしょうか」と提案がありました。「それは面白い話だ」と、私たちはすぐに宝塚さんにアプローチしたのです。ただ、最初の交渉では実現しませんでした。正直、宝塚の関係者の方にはなにも響かなかったのではないかと思います。
とはいえ「いつかは実現したいよね」との考えから、スタッフは宝塚関係者の方と交流を続けていたのですね。転機は、昨年4月に東京で開催した「逆転裁判オーケストラコンサート」(ゲームで流れる楽曲を生演奏する企画)です。その会場に、関係者が来てくださいました。