総務省と携帯業界、激しく対立する「4つの理由」

ソフトバンクが「後出し規制」に強い不満

この手法は、総務省の定めた新ルールには抵触していない。総務省は10月1日から施行される改正電気通信事業法などで、通信契約への加入を条件とした端末の大幅値引きを禁じたが、両社はこれをかわすため、通信契約を直接の条件としない端末値引きの方法をひねり出したのだ。松井氏の言う「ルールの中での相違工夫」はこのことを指す。

しかし、総務省はこれを「実質的な囲い込み」とみて許さなかった。9月20日の有識者会議で高市早苗総務大臣は「SIMロック解除については、今後の方向性について速やかにルールの見直しを進める必要がある」と述べ、ただちにSIMロック解除を義務化すると表明した。総務省は11月にも指針を改正する方針だ。

さらに消費者庁も「半額値引き」とうたうのは消費者の誤解を招くと問題視し、9月26日には消費者への注意喚起を出した。その結果、両社は「半額値引き」のCMや店頭掲示も見直さざるを得なくなった。

「後出しじゃんけん規制」にキャリアの不満

ソフトバンクとKDDIは、総務省のSIMロック解除義務化の方針には従う方針だが、販売プログラムを発表した直後に、後出しじゃんけんのように打ち出される規制に不満を持っている。

ソフトバンクの松井氏は有識者会議で「サービス導入が市場に与える影響を注視する期間すらなく、排除や修正を余儀なくされるとすれば、今後のサービスの発展や企業活動を委縮させる懸念が著しく高い」と総務省のやり方を強く批判。さらに他業界も引き合いに出し、「車の残価設定クレジットやボリュームディスカウント、リピーターに対して安くするというビジネスモデルは一般的なものだ」と述べた。

携帯キャリアが総務省の厳しい規制に異を唱えることは珍しくない。例えば5月の有識者会議でキャリア各社の2年契約の囲い込みが問題視されたことに対し、ソフトバンクはアマゾンの年間契約が割引されることや鉄道の定期券の割引などを挙げ、「長期契約者を優遇して囲うのはビジネス戦略上、普通のことだ」と主張していた。

ただ、通信業界がほかの多くの業界よりも厳しい規制がかけられるのには、いくつかの理由がある。

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