ミッツ・マングローブ「自分の価値の見つけ方」

「オネエキャラの主流」から外れて

ミッツさんは、謙遜も萎縮もしない。しかし、つねに自身のことを客観視している。

ミッツ・マングローブさん(写真:梅谷秀司)

「私は意外とのんびりした性格なので、そんなにスパスパ人のことを貶したりぶった斬ったりできないんです。TVに出るようになるまで、その場でいきなり自分の意見を言うこともあまりありませんでした。

もともと、劇や歌やピアノのように、台本や歌詞や楽譜のとおりに表現する世界で生きてきましたから。それって、即興性といちばん遠い世界なんですよね。

それに、製作陣や視聴者から求められることに、応えられる自信もなかったんです。でも、スタッフの方に『やってみてください。ミッツさんなら、できると思いますよ』と言われたんですね。そのとおりにやってみたら、たまたまできちゃった」

ミッツさんがオネエ言葉を使わないワケ

ミッツさんは女装家ではあるものの、過度に「オネエ」を演出するようなしゃべり方はしない。年下相手であっても、つねにですます調で語る。現在の「オネエキャラ」へのイメージが定着したのは、ある大物歌手のブレイクがきっかけなのだとミッツさんは分析する。

「主流や亜流は時代によって変わるけれど、今のオネエ言葉の主流は、90年代の美川憲一さんのしゃべり方です。もともと、美川さんは『〜ヨ』みたいなしゃべり方じゃなかったんですよ。再ブレイクに向けて、2丁目のママにあのしゃべり方を徹底的に仕込まれた結果、『美川ワールド』が出来上がったんですよ。

もちろんそれより前から、おすぎさんとピーコさんたちはいらっしゃいましたが、美川さんのブレイクで、『おだまりっ!』みたいなしゃべり方が『オネエキャラ』の主流になりました」

確かに、言われてみればIKKOさん、はるな愛さん、KABA.ちゃんさん(お二人は現在、戸籍上も女性として生きている)など、人気タレントの口調はどれも似ている。

「私もオカマである以上、たしなみとしてオネエ言葉の語学能力を身につけたほうがいいと思って、『やだぁ〜』『いや〜ん』と話す練習したこともありました。でも、声量がないからダメでしたね。水商売をやっていた時期にも頑張ってみたんですけど、全然サマにならないんです(笑)」

ミッツさんの強烈な個性は、どう生まれたのか。質問してみると、意外な答えが返ってきた。

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