ミッツ・マングローブ「自分の価値の見つけ方」

「オネエキャラの主流」から外れて

「『自分は自分』だとか、『私って個性的』だとか、まったく思っていないんです。枠におさまれるものなら、ずっとおさまっていたいタイプ。ずっと「普通」になりたかったんです。私は一時期、社会不適合者になりかけたけど、ずっと社会人でいたいなって思っています。私が考える社会人とは、世の中の義務、規律、風習、たしなみ、文法、といったものの枠組みや、制約の中できちんと生きている人。どんな世界にも、雛形やお作法がありますからね」

自分に価値なんか見いだしていない

確かに、ビジネスシーンでも企業の風習は存在する。年齢や役職に応じた振る舞いを求められるが、そこに息苦しさを感じる人はどうしたらいいだろうか。ミッツさんは、あっさりとこう答えた。

「プレッシャーを感じるときって、他人の期待以上に、自分が自分に期待しちゃってるんだと思いますよ。自分に価値なんか見いださないほうが、楽ですよ。

私は、文章にも言葉にも自信がないんです。垂れ流し。今回の本でも、いろんな芸能人やアスリート、政治家について取り上げていますけど、3行くらいしか書けないものもある。どうにかひねり出してここまでやったんです。才能とか、ないから」

『熱視線』(朝日新聞出版)
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人気タレントでありながら、己の能力を過信せず、あっさりとしている。ミッツさんのペースを、一般人が取り入れるためにはどうしたらいいのか、最後に聞いた。

「ちょくちょく(NHKの連続テレビ小説)『おしん』を見たらいいと思いますよ。『おしん』は戦時中、みんな国家の歯車のひとつだという前提の中で、いかに自分らしく生きるかっていう日本人の話です。

苦しい戦時下でのささやかな幸せを追求していく話だから、ある意味前向きだとも思うんです。人間、そのくらいの感覚で過ごしてみるのがいいと思うんですよね」

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