メルペイあと払い、「弱者搾取」を防ぐ具体策 ファッション領域でもメルカリ活用の新機能
2018年末からさまざまなサービスがスタートし、過熱するスマートフォン決済市場。10月の消費増税に向けては、国によるキャッシュレス還元策も打ち出されている。今月に入り各社の新たな施策の発表も相次ぎ、さらなる盛り上がりを見せている。
フリーマーケットアプリを運営するメルカリが子会社を通じ提供する「メルペイ」も9月18日、戦略発表会「メルペイカンファレンス」を開催した。「オープンネス(開放)」をコンセプトに掲げる同社らしく、さまざまな提携先企業が登壇。不正対策ではソフトバンク・ヤフー連合が手がける「ペイペイ」、LINEが手がける「LINEペイ」との取り組み強化も打ち出し、3社の社長が出そろってプレゼンを行う一幕もあった。
50以上のECサイトにメルペイを導入
メルペイカンファレンスでは新機能やキャンペーンについてもさまざまな発表があったが、中でも注目したいのは「ネット決済」と「メルペイあと払い」だ。
まずネット決済に関しては今回、ファッション領域を中心とする50以上のネット通販(EC)サイトにメルペイを導入する(予定含む)と発表した。利用者はこれらのサイトで買い物する際、メルペイの残高を利用できるようになる。さらに2020年初頭には、これらサイト上でメルペイで決済して買ったモノの購入履歴をメルカリアプリに連携、利用者がメルカリアプリ内の「持ち物一覧」から簡単に出品できるという機能も追加する。
もう1つの「メルペイあと払い」は、同社が4月に提供を開始したサービスだ。メルカリでの取引動向、メルペイの利用状況などを基にAI(人工知能)を活用しながら利用者ごとの利用上限金額を設定、利用者は残高がなくてもこの上限金額の範囲内でメルペイの決済ができ、翌月まとめて支払えるという仕組みになっている。2020年初頭には分割での支払いにも対応、数カ月間にわたる支払い計画を立てることもできるようになる。
いずれもフリマアプリで国内首位を走るメルカリならではのノウハウ、データ、プラットフォーム力をフルに生かす施策といえる。ただし、ペイペイ、LINEペイをはじめとするライバルも皆、それぞれのグループで総力を挙げてスマホ決済を育成している。メルペイはこの先、どんな成長ストーリーを描くのか。青柳直樹・メルペイ社長に聞いた。
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