僕が「あまちゃん」紅白で奇跡を起こすまで 40歳過ぎての微妙なポジション。そのとき僕は…
Chapter 7 常日頃、大事にしてる僕の仕事のやり方①
まとめとして(やや重複感もありますが)、僕が日常大事にしている仕事術を2つ挙げます。大きなイベントがない仕事場でも、必ず役立ち、仕事への充実感が増す秘訣ですから、ぜひ実践してみてください。まずひとつ目は、
「理屈」より「直感」
ということです。理屈は、頭でわかるから説得力があります。直感は根拠がないので信じられません。でも直感とは、実は膨大に蓄積された潜在意識から導き出された、まさに自分というアイデンティティそのものの答えととらえています。
さらにすばらしいのは、誰にでも「降ってくる」ってことです。僕は、アイデアを考えるときも、物事を決断するときも、すべて直感を優先します。「あまちゃん」のアニメに鉄拳さんを起用したのも直感です。「サラリーマンNEO」のきっかけも、友人の言葉を面白いと感じた直感でした。ブルース・リーの言葉にあります。
Don't think, Feel(考えるな。感じろ)
すばらしい言葉です。新しいことって、実は、自分の心の中にあるものだと思います。アイデアとは、声無き声を具体化するものです。目に見えるものには、新しいことはありません。頭で理解できることは、既存のものです。新しいことをしようとインターネットを検索するぐらいなら、人と会話したり、美術館にいったり、講演を聞きにいったりするほうがいい。生で触れることで、初めて心に響きます。
ただひとつ気をつけてください。直感を生かせというと、すぐに「自分のやりたいようにやるってことですね!」と解釈する人がいます。違います。直感とは、ふとした瞬間に、面白い!と感じたり、何かひっかかる!と気づくことです。
ここまで言ってきたように、自分から離れ、自分を注意深く観察して見逃さないようにしてください。「あ! 今、俺、面白いと感じた!」という感じです。特に、どん底に落ちたときがチャンスです。ふとした一言でアイデアがひらめきましたという成功談(ぼくもそうです)聞きませんか? どん底に落ちたときは、思考をしていません。だからすっと人の言葉が胸に入ってくる。問題が起きたときこそ「しめた!」の気持ちです。
Chapter 8 常日頃、大事にしてる僕の仕事のやり方②
仕事術の2つ目は
コツコツ努力するなら、コツコツ試せ
ゴルフの例を思い出してください。自分の考えにこだわって練習しているあなた。確かに、それは努力でしょう。でもそれは本当の努力でしょうか? 決められた仕事を決められたとおりに頑張る。なのに、努力が評価されない。おかしいよ!と考えるかもしれませんが、僕は、ちょっと違うのでは、と思います。
その努力は、自分が評価されるためにやっているわけです。いわば利己的な思いです。それを他人が評価しないからおかしいとは、どうでしょうか?
そもそも自分が思っているほど、周りの人は自分に興味がないと、僕は考えています。だいたい他人からの評価が欲しい人ほど、他人から評価されないものです。以前の僕もそうでした。これだけ「サラリーマンNEO」で孤軍奮闘してるのに、誰も評価してくれない。映画を作ったとき、「見ました」と声をかけてきた人は、80人以上いる部内の中で、ひとりだけです。ただ、自分から離れると、周りからの評価が上がりました。何をしたか。自分を「更新」することに注力したのです。
更新とは、具体的に何をするか。毎日、何かをコツコツ「試す」のです。何か今までやっていないことに挑戦する。違う道を歩くにしても、普段は入らないような高級なお店でも、とにかく譲るでも、何でもいい。何かを、試すのです。
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