「たまに会って酒を飲んだりしていたんですが、彼女がいるとか、彼女ができたとか、そんな話は聞いたことがなかった。久しぶりに電話してみたら、『大手結婚相談所に入会して、そこで知り合った彼女と結婚することになった』って。結婚相談所に入るようなヤツではなかったので、びっくりしました。“ああ、みんな、見えないところで結婚するための努力をしていたんだな”と思いました」
そして結婚式に参列したときには、もっとびっくりした。
「“えっ、こんな女性も結婚相談所に入るのか?”というくらい美人でした。ただ、経歴紹介のときの2人の出会いは、結婚相談所ではなくて、“知人の紹介”ということになっていましたけど(笑)」
友人の結婚式に参列してから、結婚相談所にがぜん興味が出てきた。そこでネット検索をしてみたものの、どこを選んでいいのかわからない。また、恋愛経験のほとんどない自分が、何万人といるサイトの中から結婚相手を選ぶ自信もなかった。
そこで、タウン誌に載っていた昔ながらの結婚相談所に話を聞きに行った。
「そこの相談所は、月に2人の女性を紹介してくれるというシステムでした。いきなり大手に入るより、自分にはこういう手作り感覚の相談所が合っている気がしたんです」
月に2人、必ず女性に会えるというシステムもよいと思った。こうして始めてみた婚活だったが、お見合いをしても、その後が続かない。
「まずは“交際したい”と思える女性に出会えなかった。こちらが“いいな”と思っている相手とは1度か2度ご飯を食べると、そこで“交際終了”になるケースが多かったし。『交際終了の理由は何ですか?』と相談所の人に尋ねても、『話の波長が合わなかった』とか『フィーリングが違った』とか、理由がぼやけていて、自分の何を直せばいいのかもわからなかった。結局1年続けたけれど、“これじゃあ、永遠に結婚できない”と思って、そこの相談所は辞めてしまいました」
40歳を目の前にして…
それからは婚活することもなく、4年の月日が過ぎていった。しかし、40歳を目前にしたとき、“もう1度ここで真剣に動いて、結婚をしたい”という気持ちが芽生えたという。
「ここ1、2年のうちに結婚すれば、子どもを授かって家族が築けるかもしれない。人生のラストチャンスだと思ったんですね」
先述したように、昭和の時代は“結婚して家庭を築いてこそ一人前”という考え方が定着していた。しかし、今や結婚するかしないかは、個人の自由。
結婚しなかったからといって人生の負け組になると考えるのは時代錯誤だし、そうした考え方が根づけば、自分が生きていくために最も必要なものが最優先されていく。
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