ジム・ロジャーズ「消費増税はクレイジーだ」

このまま増税すれば「日本破綻」に行き着く

増税に伴って「ポイント還元制度」も始まる予定です(2020年6月まで期間限定)。キャッシュレス決済にすると、国の補助金を原資に支払い額の最大5%分が還元される仕組みですが、中小の店舗では5%、フランチャイズの加盟店では2%、大企業の店舗では還元なしの3種類が混在することになり、こちらもわかりにくいです。

これは、ややトリッキーな制度ですから、キャッシュレス決済にすることで増税後のほうがおトクになる可能性もあります。税抜き価格1万円のサービスやモノを購入する場合、9月30日までは8%の消費税率がかかり、支払い金額は1万800円です。10月1日以降は10%になるので、税込み1万1000円の価格になりますが、そこから5%相当の550ポイント(1ポイント当たり1円)が値引きされると、支払い金額が1万450円になるのです。

もちろん、キャッシュレス決済はすべてのお店でできるわけではありませんし、還元方法も事業者によって異なります。増税までに対応が間に合わないお店も多いでしょう。

キャッシュレス決済の初心者からは「クレジットカードを使ったら自動的にリボ払いになっていた」などといったトラブルの声も聞きます。一部のカードではリボ専用だったり、事前登録でリボサービスになったりするカードもあるようです。ポイント還元制度を利用しようとして、思わぬ落とし穴にはまる人もいるかもしれません。

消費者は家計収支やカード明細を小まめに確認しよう

また、政府はマイナンバーカードの普及に向けた具体策を示しました。10月の消費税増税に伴い2020年度に導入するポイント制度は、全国共通の仕組みとなり、マイナンバーカードを本人確認とID設定に利用し、キャッシュレス決済サービス利用額の前払い等に対して、国からポイント還元が受けられる予定です。

私が暮らすシンガポールも納税番号の管理の仕組みがありますが、あくまで納税管理に使われており、それでポイントがたまったりはしません。そのため、このニュースを耳にしたとき、やはりトリッキーに感じました。消費税増税を機にキャッシュレス化と納税番号の管理を一気に行ってしまおうという意図が、クレイジーに感じてしまうのです。

「何のための増税?」と思われないためにも、外国人投資家の評価を上げるためにも、そもそもの消費税増税の目的である「財政の見直し」は急務です。キャッシュレス化やマイナンバーなど、他国に比べて遅れていることを今回の増税と同時に促進させようとすれば、混乱に拍車がかかります。私たち消費者としては、カード明細や家計簿を小まめに確認して家計がマイナスにならないようにする必要がありそうです。

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