部下なし、権限なし・・・担当課長の生き方 第5回 担当課長であることのメリットを活かせ!

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担当課長のメリット③「あまり期待されていない」こと

担当課長は、基本的に組織長のポジションを外れた人なので、会社の期待は高いとは言い難い。しかし、「期待が高くない」ことを逆手にとりたい。

経営からすると大きな期待を持って課長に登用したが、思うような成果が得られなかった。管理職ポストの相対的な評価の中で「今期の管理職としての先発メンバーから外れてもらう」ことなった人が担当課長である。
 会社によって位置づけは異なるが、「王位継承順位」の筆頭として、現課長に何かあったら担当課長がピンチヒッターとして投入される立場であろう。
 だが、常に「成長」を前提としている経営者は、一度責任者ポストを外した社員より、若い管理職未経験の伸び代のありそうな社員に期待しがちである。
 経験豊富な現有社員より、新規中途採用したばかりの「とりあえずやる気を見せている」社員の方に過剰な期待をするのと同じ心理である。

「期待されていない」という状態は、高いパフォーマンスを上げることが出来ると自身の株が上がりやすいとも言える。
 多くの企業では目標管理を導入しており、上司とともに立てた期初の目標を期末時点でどれほど到達したかを人事評価の仕組みに取り入れている。

本来なら「目標と実績のギャップ」である“成果”を客観的に評価するのが基本ルールだが、管理職(組織長)に登用するかどうかの判断は、前年の成果の評価よりも、人物評価のウエイトが高い。
 その時に上司の印象に残りやすいのは、「期待していなかった元課長」の「期待を超える働きぶり」(復活ぶり)だ。

ただし、気を付けたいこととして、期待以上の活躍が最も評価されるのは担当課長になった直後の年度であり、それ以降年数を重ねるにしたがって“期待を上回る評価”は「まぐれ」扱いされる確率が高くなっていく。
 実際、筆者がこれまでコンサルティングで関わった企業において、復活人事で組織責任者に返り咲くパターンは、担当課長に退いておおよそ3年以内といったところだ。

昇進・昇格の判断は一般的に2年程度のパフォーマンスを見られる。しばらく標準以下の評価が続いた担当課長であれば2年連続で高評価を得る必要がある。

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