「裏方に回る力」がリーダーに必要不可欠な理由

経営学は自分に無関係と思う人に欠けた視点

今日求められる理想のリーダー像とは?(写真:polkadot/PIXTA)  
「現代の経営学に息づく偉大な先人たちの知恵を借りられたら、前よりももっと上手にこの社会で活躍していける」と語るのは、大阪大学大学院経済学研究科准教授の中川功一氏。経営者や管理職はもちろん、就職活動中の学生や、若手社員が有意義に働いていくためにも、経営学の知識は役に立つでしょう。中川氏の新刊『ど素人でもわかる経営学の本』を一部抜粋、再編集し、革新の時代に求められる経営学のエッセンスとリーダーシップ論についてひも解きます。

歪みを正す経営学

経営学とは、会社の仕組みのあり方を考え、うまく会社を動かすための方法を考える学問です。そもそも会社という仕組みは、人類の歴史の中で、比較的最近になって登場しました。

ものを売ったり買ったりする「商業」や、道具や機械をつくる「工業」については、何千年も前の記録が残っています。しかし、何十人、何百人の人々が会社という1つの組織の中で、協力し合って働くことには、せいぜい百数十年の歴史しかありません。

この百数十年で、よい会社のあり方を模索するために急速に発展したのが経営学です。会社経営というのは、しばしば望ましくない形になってしまいます。利益が出ない、効率が悪い、ブラック労働、環境破壊など……。そうした歪みを正し、よい会社をつくるために、経営学が必要なのです。

皆さんの中には「一般の会社員に経営学なんて役に立たないのでは?」と感じている方もいるかもしれません。ですが、意外と身近なところで経営学の知識が必要になってきます。リーダーを例に取って解説していきます。

必ずしも会社の経営者でなくても、プロジェクト単位の仕事が増えた昨今は、若手社員がリーダーを務める機会も増えました。会社でプロジェクトの責任者になったとき、年上のパート社員をマネジメントする立場になったときなど、若手でもリーダーになる機会はあります。どんな小さな組織でも、リーダーはその部門の経営者といえます。

利益を上げるために人々が協力し合って組織をつくっているものが会社です。ですから、会社の経営とは、この利益と組織とを管理することにあります。そのためにはどんなリーダーシップが求められるのでしょうか?

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