日本郵便「社員が社長にぶつけた不満」の全記録 返答はノルマ肯定、お付き合い容認、自爆放置
対話集会の最後に、横山社長は1人だけ、挙手による質問を許した。東京23区内の局員だった。
「現場が知らないだけじゃないの?」
郵便局員「『(本社の人間を)必ず現場に行かせます』と歴代社長は言ったが、本社の人間は誰もこない。これでは面従腹背ではないか。面従腹背をしている本社の部長などを処分すべきではないか。それと、(壇上など前にいる本社の幹部で)かんぽに入っている人、どれだけいますか? 手を挙げてください。半分もいないでしょう?(研修などで)『家族や恋人に勧めるつもりでかんぽの保険を勧めてください』とよく言われるが、あなた方の半分も入っていない保険をどうして家族や恋人に勧めるように勧められますか?
某国の野菜を勧めろと言われているのと一緒。農薬だらけで某国の国民は誰も食べていませんよ。当局は近隣他局との合併で、かつて倉庫だったところに保険担当者が押し込められている。現場に来てくださいよ、そうすればこうしたこともわかるはずだから」
横山社長「現場に行きます。約束しますよ」
郵便局員「そう言って誰も来ないじゃないか。本当はこの会だって、現場の局員が本社に集まるのではなくて、本社の人間が現場に来るのが筋ではないか」
横山社長「この人たち(=本社の人間)はつねに現場に行っています」
郵便局員「来ていません」
横山社長「それは(君が)知らないだけじゃないの?」
現場の声を虚心坦懐に聞くはずが、最後は「現場が知らないだけではないか」と横山社長が現場に疑問を呈して終わった今回の対話集会。質問に立った社員21人の話で目立ったのは「報道が先行している」「新聞に書いてあったことを局長に聞いても『わからない』と言われた」という意見だった。横山社長は「対応が後手後手に回っている。申し訳ない」と繰り返した。
顧客への全件調査(契約数約3000万件、加入者数約2000万人)は始まったばかり。郵送で確認書類を送り終えるのは9月下旬だという。「9月末までには中間報告をする」としているが、これでは中間報告までに全件調査の全容は見えてこないだろう。
「これから全国を回る」という横山社長だが、社員との対話集会を契機にウミを出し切れるのか。首都圏社員との対話集会のように冒頭で延々と社長自らが独演をし、質問は抽選とし、質問をしたくても抽選に当たらなかった人には紙に質問を書くように促すという運営では、問題の洗い出しは難しいように思える。
【2019年8月27日17時15分追記】関係者のプライバシーに配慮して初出時から一部表現を見直しました。
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