日本郵便「社員が社長にぶつけた不満」の全記録 返答はノルマ肯定、お付き合い容認、自爆放置

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不適切営業の原因として厳しい営業ノルマの存在が複数の報道で指摘されている。が、横山社長は営業ノルマを肯定するような発言をした。北関東の郵便局員から「何で目標が達成できないのかを(研修などで上司が保険販売担当者を)恫喝するのではなく、一緒に原因を掘り下げるような、風通しのよい環境があったらいい」と意見を言うと、横山社長は「恫喝」については言及せずに「ちょっとストレッチ(背伸び)をして、(ノルマの数字に)届くということが、組織や個人の成長につながる」と答えたのだ。

「お付き合いはどこにでもある」?

横山社長は「お付き合い(で買ってもらう)というのはどこにでもある。他の金融機関にも自動車(ディーラー)にもある。それは信頼関係だからね」と、顧客ニーズとは無関係に保険に加入してもらうことを肯定する発言もした。

「高齢者は郵便局のファンです。われわれを助けてくれる。ところが(高齢者が)お亡くなりになった瞬間に(家族から)『なんでこんな経済合理性のない取引をやっているのだ』ということになる。(信頼関係で入ってもらうにしても)ご家族の納得のうえでないといけない。それが今回の反省だと思う」(横山社長)。

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「お付き合いで」ニーズのない保険に加入してもらうこと自体は問題ではなく、それを家族に納得してもらえていなかったことが反省点だという、世間の常識とはかけ離れた見解を示したのだ。かんぽの監督官庁である金融庁は、現在、顧客ニーズに沿ったリテール営業を推進している。この横山社長の「お付き合いはどこにでもある」発言が耳に入ったら、遠藤俊英・金融庁長官はどう思うだろうか。

さすがにまずいと思ったのだろうか、その後に、横山社長は「今、ゼロベースで見直している。(過去を)断ち切っていくから。新たな金融ビジネスを立ち上げていきます。よろしくね」と言葉をつないだ。「新たな金融ビジネス」とは何か。横山社長から具体的な発言はなかったので不明だが、ほかの質疑応答や集会冒頭の話から総合すると、不適切な営業をしなくても保険契約を取ってくる仕組みづくり、手数料稼ぎではなく、ストック(=預かっている資産)の増加を評価する仕組みづくりなどを指しているようだった。

南関東で保険販売を担当しているという郵便局員は「ここ2年くらい本当に売りづらかった。ほとんどの客に断られ続けている」と、かんぽ生命の保険商品がニーズに合っていないことを訴えた。

横山社長は「保険というのは非常に難しい。ライフプラン・コンサルタントも『家計のリストラはまず保険の見直しだ』と言う。今、『この商品が顧客ニーズに刺さるんだ』という商品は確かに必要ですね。機会をつくるから主要メンバーになってください」とした。

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