森林の崩壊 国土をめぐる負の連鎖 白井裕子著
森と水は文明の源だ。日本も国土の7割を占める森林が古くから個性豊かな地方文化を育んできた。しかし今、その伝統が危機にさらされていると、一級建築士であり社会基盤としての河川流域を研究する著者は警鐘を鳴らす。
世界では伐採による森林破壊が問題になっているが、日本の問題は「木を切らなすぎる」ことにあるという。建築基準法により伝統的な木造家屋は建てにくくなり、木材地場産業は廃れている。多額の補助金を投入しながらも森林が荒廃していくのはなぜか。
現場を知らない行政官が当事者不在のままに作った制度が、結果として林業と地方を衰退させている現実を指摘しながら、森林をめぐる仕組みを根本から問い直す。
新潮新書 714円
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