ドイツ・フランス流「オトナの」ブランド戦略 「脱・市場シェア」思考でグローバルに挑む

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私たちの生活に身近なところでは、スキンクリームのニベア、調理用具のヘンケルス、コーヒー器具のメリタ、ビールのレーベンブロイ、文房具のステッドラー、陶磁器のマイセン、靴のビルケンシュトック、クマのぬいぐるみで有名なシュタイフなどがあります。ファンタとクノールもドイツ発祥のブランドです。機械モノでは、ライカやカール・ツァイス、腕時計のランゲ&ゾーネ、高圧洗浄機のケルヒャー、キッチン・バスルーム用水栓のグローエ。それから、筆記具のモンブランやペリカン、ファーバーカステル、ロットリング、スーツケースのリモワ、シート・椅子のレカロなどなど、歴史と味わいのあるブランドがグローバルで頑張っています。

スポーツでも、プロサッカーの「ブンデスリーガ」自体がブランドですし、トップ・クラブであるバイエルン・ミュンヘンは、欧州チャンピオンズリーグに続いてFIFAクラブワールドカップでも優勝した、世界最強のチームです。そのブランド力を借用しようと、中国のソーラーパネルメーカーの英利(インリー)はバイエルン・ミュンヘンと提携しました。アディダスとプーマのアスレチック・ギアも世界中に普及しています。

音楽分野に目を転じると、スタインウェーのピアノはドイツ人がアメリカで発展させた事業ですし、ベヒシュタインのピアノも有名です。クラシック音楽の愛好家にとっては、ウィーンフィルやベルリンフィルなどの交響楽団もブランドでしょう。古いファンには、「ドイツ・グラモフォン」レーベルのレコードに特別な思いを抱く人も多いでしょう。

余談ですが、ドイツは「テクノ」ミュージックが盛んなことでも有名です。日本でも、古くはYMOから現在のPerfumeに至るまでテクノポップの系譜があって、電子音が好きなドイツとの共通項と言えそうです。

さて、そんなドイツブランドの特徴を分析して気がつくことは、

① 伝統がある:創業者の名前がそのままブランドになっているケースが多く、ブランドのDNAとモノづくりの哲学が経営者や職人たちによって頑固に受け継がれている。

② 高級である:貴族階級向けの馬具メーカーをルーツとしたブランドや、「マイスター」の手仕事によって価値を高めるブランドが多く、プレミアムブランドの何たるかをよく理解している。 

③ グローバルである:ヨーロッパ市場内の交易、アメリカへの移民による展開、中国への早くからの進出など、モビリティが非常に高い。

といった点です。

全体として、ドイツ企業は、量的拡大よりも少量生産によって希少価値を高めるマーケティングをベースとして、ブランドに対する格別の尊敬や信仰を産み出すことを狙っていると言えそうです。独自の主張とポジションを持って一目置かれる存在となれば、競合からコピーされることなく、長期的に存続できるというわけです。

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