ドイツ・フランス流「オトナの」ブランド戦略 「脱・市場シェア」思考でグローバルに挑む

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「拡大」と「成長」は違う

もし、今から再挑戦する日本のスマホメーカーがあるとするならば、決してシェア拡大競争に身を投じてはいけないと思います。販売数量やシェアの競争で勝ち抜くためには、①オリジナリティはなくとも性能とデザインはそこそこいい製品を、②安い労働力と海外からの投資の活用で大量生産し、③それを低価格で輸出して先行ブランドを駆逐していく――という方式が効果的で、そうなると中国や韓国のメーカーが有利になります。

また、確かにシェアは拡大すればするほど原価率が下がったり、流通・店頭支配力が増したりと、マーケティングが有利になります。しかし、競合企業のキャッチアップのスピードが増している現代のビジネスにあっては、トップシェアブランドの優位性を享受できる期間が極めて短くなっています。シェア拡大競争→大量生産→コモディティ化→競合の参入→利益率低下→ブランド力低下、といったサイクルで、結局、最後は値下げ合戦に巻き込まれてしまうのです。

一方で、最初から市場シェアには見向きもしないブランドも存在します。たとえばライカのカメラは、かつてのフィルム時代のアドバンテージが薄れても、ブランドイメージはびくともしません。実際は、ライカの低価格デジタルカメラは日本メーカーによるOEM生産なのですが、ライカの赤いロゴマークが付くと、ライカファンにとっては別格の価値が生まれてきます。そんなファンの数は多くはありませんから、製品が市場シェアで上位をにぎわすことはありませんが、いわばブランドへの「信仰」のおかげで、デジタル時代に入っても立派にブランドバリューを維持しているのです。

市場シェア至上主義の経営は、成熟期に入った、高機能・高コスト体質のニッポンブランドにはもはや時代遅れのモデルです。日本企業の成長戦略は、生産性と収益力、ブランド力の向上を柱とすべきだと思います。

味わい深い、ドイツブランドの戦略

シェア拡大よりも、収益力とブランド力で持続的に成長する経営スタイルのよき手本となるのが、ドイツ企業です。ドイツ発のグローバルブランドと言えば、まずはポルシェ、メルセデス、BMW、アウディ、フォルクスワーゲンなどのクルマ。そして、シーメンス、BASF、ボッシュ、ブラウン、バイエルなどの製造業、企業向けサービスのDHLやSAPなど、ドイツらしい「お固い」ブランドが思い浮かびます。

しかし、そこにとどまらないのがこの国の奥深いところ。意外に多いのが高級ファッションブランドで、ジル・サンダー、ヒューゴ・ボス、カール・ラガーフェルド、エスカーダ、アイグナー、またバッグのコンテスやゴールドファイルなどがグローバル市場で存在感を見せています。

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