輸出規制で「日韓経済全面戦争」に突入するか 半導体から電気自動車まで代替品確保の動き
日本政府は8月2日の閣議で、輸出審査における優遇対象であるホワイトリストから韓国を除外する輸出管理令改正案を決定した。これにより、8月下旬からこの措置が実施される。2004年にホワイト国となった韓国は、15年ぶりに日本からの輸出優遇措置を受けられなくなる。
ホワイトリストは「優遇措置」だ。輸出の効率性を高めるために、日本は友好国をホワイト国として指定して貿易面で優遇してきた。ホワイト国に輸出する際には、包括的な許可を受ければ3年間は個別品目に対する審査を免除される。言い換えれば、ホワイト国から除外されると、武器への転用が可能になるような、輸出管理の対象になりうる品目の輸出には手続きが複雑になるということだ。
約1100品目は、輸出のたびに許可が必要に
韓国がホワイト国から除外されると、先端的な素材や電子、通信、センサー、航法装置など、軍事転用が憂慮される約1100品目を日本から韓国に輸出するたびに、個別の許可を必要とする。日本はこれら戦略物資はもちろん、武器に転用される可能性がある民需品は許可が必要になる。
この個別許可の手続きは面倒だ。韓国企業が該当品目を輸入するたびに、目的と用途、最終需要地などを一つひとつ申告しなければならない。大量破壊兵器(WMD)やWMDを運搬する用途などに使われず、民間用としてのみ使われるという内容の誓約書も必要とされる。
手続きが面倒になるだけでなく、日本政府の意向次第で輸出が許可されたり、されなかったりする可能性や、許可が出されたとしても、かなりの時間がかかるケースもありうる。
個別許可を受けるためには、一般的に90日かかる。日本経済新聞によると、韓国企業が中国や東南アジアなどの生産拠点に日本産輸入品を持ち込む場合も、日本政府の審査手続きが複雑になる可能性が高いという。日本のホワイト国は27カ国。アジアでは韓国のみだった。
産業用の主要素材と部品、機械などを日本から輸入する韓国企業にとっては非常事態だ。日本の今回の措置では、約1100品目が輸出規制の対象となることが予想されている。ホワイト国から外れても、輸出規制がすぐさま適用されるかどうかは不透明だ。
韓国産業界はどの品目が規制されるかに注目している一方で、日本からの輸入依存度が高い品目を中心に代替品の確保に注力している。7月4日に発表された3品目の規制によって影響を受ける半導体やディスプレー業界は、輸出規制が拡大する可能性を心配している。
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