輸出規制で「日韓経済全面戦争」に突入するか 半導体から電気自動車まで代替品確保の動き

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シリコンウェハーやイメージセンサー、メタルマスク、分離膜など4つの素材部品も輸出規制品目に指定される可能性が高い。これら4品目はそれぞれ半導体やスマートフォンに内蔵されるカメラ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレー、二次電池バッテリーの主要素材だ。日本製品の世界市場シェアが高く、かつ韓国企業の依存度が高いため、相当な影響を受けることが予想されている。

韓国化学研究院が発表した素材部品に関する報告書によれば、これらの素材の相当数、あるいは全量は日本から輸入されている。

半導体素材の需給への悪影響は避けられない

半導体の基礎材料であるシリコンウェハーは日本企業が世界シェアの53%を占めており、信越化学工業とSUMCOがそれぞれ27%、26%を占める。シリコンウェハーを輸入している韓国企業は、サムスン電子とSKハイニックスなどだ。とくにSKハイニックスは、2016年の1年間で4877億ウォン(約426億円)分を輸入している。半導体に使われる素材全体の購入額は3兆8099億ウォン(約3300億円)で、その13%に当たる。

同研究院高機能分子研究センターのキム・ヨンソクセンター長は「世界シェアで13%を占めるドイツのシルトロニクス社と韓国のSKシルトロンの生産量を増加させても、需給に悪影響が及ぶことは避けられず、半導体の集積回路(IC)生産を直撃するだろう」と指摘する。

スマートフォンやノートパソコンなどに内蔵されるカメラとして主に使われるイメージセンサーも、ソニーが51%を占める。シェア17.8%を占めるサムスン電子や同2.7%のSKハイニックスとの差は大きい。供給に支障を来す場合、スマートフォンの生産に打撃を受けることが予想される。

中小型OLEDディスプレーパネルの製造に使われる、主要部品であるファインメタルマスク(FMM)は、100%を日本の大日本印刷から輸入している。とくに、周期的な入れ替えが必要とされるものであり、輸入規制をされればOLEDパネルの生産が予定どおりに行われなくなるという。

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