あなたの「老後不安度」を3分で計算してみよう 漠然とした不安で保険に入るのは危険すぎる
「公的年金」を頭に入れて人生のお金をデザインしよう
20歳以上の人たちは、毎月、決して安くはない年金保険料を支払っています。会社員は給料から天引きされますし、自営業者なら自分で支払っています。公的年金は、国の保障であり、かなり強力です。もちろん、公的年金だけで老後は安泰と言っているわけではありません。しかし、間違いなく「すべての人が終身で受給できる老後生活費の柱」です。
なぜなら、年金制度は、「強制加入」だからです。ちょっと難しい言い方ですが、「保険」の機能を高めるためには財政の安定が必要です。低いリスクの人も含め多くの母数集団を構成し、「大数の法則」を効かせることがポイントになるわけです。公的年金は、運用益で実現するしかない民間保険には絶対に作れない「保険」なのです。
では、その民間保険はどうでしょう。リスクを感じている人が積極的に入ります。すると保険会社は保険料の支払いリスクが高くなるので、保険料を割高にせざるをえません。だから保険料は高くなるのです。
前置きが長くなってしまいましたが、今回、皆さんに考えていただきたいことは、「老後の安心を作るのは難しくない」ということです。キーワードは「公的年金」です。これを上手に利用することこそが、老後の安心を作るポイントなのです。つまり、自分の「お金の人生設計」の中に、自分が受給できる「公的年金額」を入れて考えることが重要なのです。
先日、私のところにご相談に来られた政岡靖友さん(仮名・会社員・43歳)と妻の美南さん(仮名・会社員・40歳)は、漠然とした老後不安から、あるファイナンシャルプランナー(FP)のところに相談に行ったそうです。その結果、4つの外貨建て保険を勧められて、加入しました。
すべて「平準払い」(毎月保険料を払うタイプ)の米ドル建て養老保険で、支払う保険料は1ドル=105円(8月中旬)で換算すると、年間190万円にも上ります。ご夫婦の手取り年収が約700万円として、その25%以上を占める金額です。
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