ポカリとキリンCMヒットの鍵に「歌とコミュ力」 音楽を中心に据えたCMが上位にランクイン

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東京キー5局からオンエアされるCMでは15秒CMが8割以上を占める中、30秒の尺を使い楽曲を存分に聞かせるというぜいたくな構成だ。同様に60秒バージョンのCMでも、機能説明のセリフやコピーはなく、伸びやかな歌声や美しい風景を堪能させるクリエイティブで、束の間の小旅行をプレゼントされた気分になる。

CMでの糖質オフの訴求は「我慢からの解放」「生活習慣の改善」のように免罪符的なアプローチをすることが多い。淡麗グリーンラベルは“オフ”を休日と置き替えて「日常からの解放」「心の洗濯」というアプローチをしたことが、差別化が難しい機能系ビール類のCMの中で支持され続けている最大の勝因だといえよう。

ポカリスエットのCMが印象に残る理由

ポカリスエットは2016年から「ガチダンス」や「鬼ガチダンス」といった難易度の高いダンスや参加型のキャンペーンを展開。今年は難易度ではなく10代が抱える不安や悩みといった内面の感情をダンスで爆発させる「青ダンス」シリーズとして放送し、ブランドの持つアクティブなイメージを強調している。

もう一方の吉田羊と鈴木梨央が母娘役を演じる「ポカリ、のまなきゃ。」シリーズは2015年にスタートし、季節ごとの水分補給の必要性をアピールする。今期のイメージソングはZARDの『揺れる想い』で、1993年に一色紗英が出演した同商品のCMで使用され大ヒットとなった。

今作はふたりが同曲をデュエットしながらプール掃除やテニスの壁打ちをするもの。ふたりが本物の親子のように自然体で楽しげにじゃれ合う姿に「ポカリ、のまなきゃ。」のコピーがかかり、「夏、ポカリスエット」という鈴木のナレーションで締めくくる。シンプルな構成だけに、ふたりの見事なハーモニーが強く印象に残るクリエイティブだ。

ポカリスエットCM|「母娘の揺れる想い」篇 30秒 
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