アマゾンの「コンビニ」はここまで徹底している リアル店舗の進化が映す本質的な意味

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3点目は、アマゾン・ゴーはコンビニの「温故知新」であるということです。従来コンビニエンスストアが担ってきたのは、ポジショニングマップを描けば「便利×おいしい」となるでしょう。この点では、アマゾン・ゴーも同じです。便利においしいものを手軽に食べたいという顧客のニーズに応えるのが、アマゾン・ゴーのポジショニングです。

作業をするスタッフの様子(筆者撮影)

ただしアマゾン・ゴーの場合、「便利」も「おいしい」も、相当に先鋭化されています。「便利」という点では、単に「さまざまな商品が気軽に購入できる」だけでなく、「ただ立ち去るだけ」で買い物や支払いが終わるというスピーディーさや、「買い物をしていることを感じさせない」「支払いを感じさせない」など優れたカスタマー・エクスペリエンスにまで高められています。

一方、「おいしい」という点では、「機械が作る」のではなく、「誰かが知らない場所で作る」のでもなく、「自分が目に見える場所で人が手間をかけて」作っていることがポイントです。優れたカスタマー・エクスペリエンスとしての新たなおいしさが再定義されています。

便利でおいしいコンビニエンスストア。当たり前といえば、当たり前の話です。しかし、その当たり前を誰の追随も許さないレベルにまで先鋭化したのが、アマゾン・ゴーだと言えるでしょう。

② アマゾンブックス

「新しいタイプの顧客の特性は、マーケティングの未来がカスタマー・ジャーニー全体にわたってオンライン経験とオフライン経験のシームレスな融合になることを、はっきり示している。」(『コトラーのマーケティング4・0』より)

「ビッグデータ×AI」の強み

コトラーが言う、オンラインとオフラインが融合した「マーケティング4・0」は、アマゾンブックスにおいて実現しています。読みたい本が決まっているならアマゾンのECサイトで購入、すぐに読みたいならキンドルで、実際に本を手に取って読みたい本を探したいなら、リアル店舗であるアマゾンブックスへ。アマゾンユーザーは、オンラインとオフラインを自由に行き来することができるのです。

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