アマゾンの「コンビニ」はここまで徹底している

リアル店舗の進化が映す本質的な意味

アマゾン・ゴーのシアトル1号店。「無人店」だが、ウィンドウからは作業をするスタッフの様子が見える(撮影:中川 雅博)

世界でアップルやマイクロソフトらと時価総額ランキングの首位を争う、アマゾン。現在の時価総額は80兆円以上と「世界最強」の座に近い企業です。

アマゾンは、何がすごいのか。拙著『なぜ女はメルカリに、男はヤフオクに惹かれるのか?』でも詳しく解説していますが、主に5つの理由があります。

アマゾンの「強さ」、5つのポイント

第1に、それは「地球上で最も顧客第一主義の会社」というミッションとビジョンに対するこだわりです。アマゾンにおいて、顧客第一主義は決してお題目ではありません。組織の末端まで顧客第一主義は浸透しきっており、相手が上司だろうと誰であろうと「それは顧客第一主義なのでしょうか」と反論することが推奨される文化があります。

第2に、顧客第一主義と表裏一体であるカスタマー・エクスペリエンスへのこだわりです。ジェフ・ベゾスは創業前、紙ナプキンにアマゾンのビジネスモデルを記しました。そこにもすでに「カスタマー・エクスペリエンス」という言葉が登場するのです。このエピソードは、アマゾンにおいてカスタマー・エクスペリエンスの追求がビジネスモデルの核、絶対的な位置に埋め込まれていることを示すものです。

第3に、カスタマイゼーション(パーソナライゼーション)です。ベゾスの定義によると、顧客第一主義とは「(顧客の声を)聞く」「発明する」「パーソナライズ」の3点で構成されています。顧客の声に耳を傾け、それに応えるべく発明とイノベーションを行うこと。ベゾス自身の言葉を借りるなら、「顧客をその人の宇宙の中心に置く」ことがパーソナライゼーションだと語っています。

第4に、ビッグデータ×AIです。テクノロジー企業にとって、ビッグデータ×AIとは、顧客第一主義と、それと表裏一体であるカスタマー・エクスペリエンス、そしてカスタマイゼーション向上のための手段にほかなりません。

次ページアマゾン・ゴーはなぜ成功したか
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ブックス・レビュー
  • 最新の週刊東洋経済
  • トクを積む習慣
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
トレンドライブラリーAD
人気の動画
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
商社大転換 最新序列と激変するビジネス
商社大転換 最新序列と激変するビジネス
「話が伝わらない人」と伝わる人の決定的な差
「話が伝わらない人」と伝わる人の決定的な差
渋谷駅、谷底に広がる超難解なダンジョンの今
渋谷駅、谷底に広がる超難解なダンジョンの今
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
日本企業は米中の板挟み<br>全解明 経済安保

先端技術をめぐる米中の争いは日本に大きな影響をもたらします。海外からの投資は経済を活性化させる一方、自国の重要技術やデータが流出し安保上のリスクになる可能性も。分断の時代に日本企業が取るべき進路を探ります。

東洋経済education×ICT