債務超過の曙ブレーキ、銀行との溝は埋まるか

経営危機の引き金となったアメリカでの失敗

8月6日に行われた決算会見で「(金融機関との)交渉がまとまるように頑張っていきたい」と語った曙ブレーキ工業の荻野好正副社長(右)(記者撮影)

自動車部品メーカー、曙ブレーキ工業(以下曙)が危機に瀕している。

今年1月29日に私的整理手続きの1つ、事業再生ADRを申請し、再建計画の策定を進めてきたが、金融機関が債権放棄による支援に難色を示しているのだ。

工場閉鎖や3000人規模の人員削減を提案

当初、曙は6月11日に再建計画を成立させたいとしていたが、現状では9月18日での決議を目指している。7月18日には、シャープや日本板硝子などに出資を行った投資ファンド、ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ(JIS)をスポンサー候補に選定。第三者割り当てで優先株を発行し200億円を調達すると発表した。

【2019年8月20日19時3分注記】初出時の記事における「再建計画を成立させたい」としていた期日を、上記のように修正いたします。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

7月22日の債権者会議では、国内外18工場のうち、アメリカの2工場を含む6工場の閉鎖・売却や、従業員の3割弱に当たる3000人規模の人員削減、信元久隆会長兼社長ら現経営陣の退任などが提案された。同時に、金融機関には560億円の債権放棄の要請が行われた。

だが、2019年6月末の有利子負債1132億円の5割カットに相当する曙の要請に対し、「現預金の水準に対して債権放棄額が大きすぎる」「同意できる内容ではない」と厳しい声が飛んだ。

8月2日にも債権者会議が開かれ、計画案には再建の実効性がある、とする第三者機関(事業再生実務家協会)の調査結果を報告したが、金融機関の姿勢に大きな変化は見られない。事業再生ADRによる私的整理の成立には、30以上の金融機関すべてから承諾を得る必要があるが、その見通しはまだ立っていない。

次ページ2019年6月末で債務超過に転落
自動車最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 最新の週刊東洋経済
  • 財新
  • 実践!伝わる英語トレーニング
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ホンダ「4代目フィット」がイマイチ売れていない理由
ホンダ「4代目フィット」がイマイチ売れていない理由
京セラのガラパゴススマホ「トルク」がたどり着いた境地
京セラのガラパゴススマホ「トルク」がたどり着いた境地
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
「半導体パニック」自動車産業に与える巨大衝撃
「半導体パニック」自動車産業に与える巨大衝撃
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
激動相場に勝つ!<br>株の道場

6月18日発売の『会社四季報』夏号が予想する今期業績は増収増益。利益回復に支えられる株価が上値を追う展開になるか注目です。本特集で株価が動くポイントを『会社四季報』の元編集長が解説。銘柄選びの方法を示します。

東洋経済education×ICT