頼まれる側にも大きなメリット
だが、重要なポイントは用事を頼む人の側にだけあるのではない。実は、タスクラビットは用事を請け負う側にとっても大きな変化をもたらしている。
たとえば、不況で何年も定職に就けなかった人が、タスクラビットで収入を得ることができたという。職はなくても腕と技があるならば、それを武器にして収入を得て、もっと進めば専門職として経験を積んでいくことができる。そして自分のビジネスを打ち立てることも可能になるだろう。
あるいは、フレキシブルに働きたいという人がいたらどうだろう。会社勤めならばなかなかそうはいかないが、できる時にタスクラビットで収入を得て、あとは勉強をしたいとか、趣味に時間を使いたいとか、そういった時間割を自分で組み立てることができる。
もちろん、主婦や学生がちょっとした空いた時間に手伝いをして収入を得たいという場合も、タスクラビットならば仕事が見つかる。
要はこれまで、定型でしか考えられなかった仕事が、やるほうもやってもらうほうも、もっと自在にフレキシブルに選ぶことができるようになったということだ。大げさに言えば、仕事の定義も、仕事の関係性も違ってくる。ここから何か次の時代の仕事のあり方が見えてくるようなのだ。
企業向けサービスも開始
タスクラビットは、現在、企業向けのサービスも始めている。企業が、受付やカスタマー・サービスなどに一時的なスタッフが欲しいという場合に、タスクラビットを通して探すことができるのだ。これは、数年サービスを続けた結果、需要が見えてきた新領域だったという。
また、用事の中で「配達」が多かったことから、1時間以内の配達も始めた。仕事を核にしてサービスを構築したことによって、タスクラビット自体も有機的に拡大しているのだ。そう考えると、「仕事」とは面白いものである。
バスクは、起業するまでIBMに務めるエンジニアだった。起業のABCも知らないままに、アイデアからサービスをコツコツと作り上げていった。だが、出来上がってみると、誰もが求めているものだった。ことに人々が密集しているサンフランシスコやニューヨークといった都市部では、用事を頼みたい人、用事ができる人がひしめいている。
仕事を未来へ向かわせる、非常に興味深いサービスなのである。
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