ベガス緊急事態!バッタ「超大量発生」の恐怖 人気観光スポットもバッタだらけに

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コオロギはさまざまなものの象徴となり、とくにアジアでは幸運なものと考えられている。しかし、バッタが同様のよい連想を呼ぶことはないと、イリノイ大学のベレンバームは言う。

ナイトは昆虫学者としての40年間で、もっと大量にバッタが発生したのを見てきたと言う。「1平方ヤードあたりのバッタの数で測定を行っている。数を把握するのは非常に難しいが、昆虫の大量発生はときどき起こるものだ」。

殺虫剤をまいても効果は微妙

ラスベガスのすぐ近くに住んでいるブリタニー・シーアンは、ルクソールホテルの上空に集まるバッタの大群の写真をツイッターに投稿した。「投稿への反応は、必ずしも恐怖ではなく、ただ煩わしいという感じだった」とシーアンはツイッターで述べた。「母が家から出ようとするたびに、1ダースのバッタが母に向かって飛んでくる」。

ラスベガス観光局は、この大量発生により観光に影響が生じる可能性は認識していないという。ナイトはバッタに向けて殺虫剤をまくことには否定的だ。「追い払うことはできるが、1日か2日のうちにすぐ戻ってくる」。パリッド・ウィングド・グラスホッパーは主に広葉雑草を食べ、ほかの昆虫や鳥、トカゲ、キツネやコヨーテなどのエサになるという。

ベレンバームは、バッタについての一連のウワサを楽しんでいると話す。「聖書に書かれているような災いは起こらない。このようなときには、昆虫がかつて自分たちのものだった世界を返してほしいと言っているようで、とても興味深く思う」。

(執筆:Neil Vigdor、翻訳:東方雅美)

© 2019 New York Times News Service

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