「口の乾き」が招く健康被害を侮ってはいけない よくかんだり話したりしないと「唾液」が減る

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

大切な人をイメージして「ありがとう」と声に出してみてください。「あ・い・し・て・る」 でもOKです。「あ・り・が・と・う」「あ・い・し・て・る」と、はっきりと大きな口で発音します。意識して、「ありがとう」という感謝の気持ちを口にしてみてほしいのです。口癖のように、意識せずとも自然と口から出てくるようになるまで。 

「ありがとう」「あいしてる」で唾液が増える

口は「あ」と「え」のときに大きく開かれ、「い」のときに口角が横に大きく引かれます。「う」 のときにすぼめられ、「お」のときに軽く開かれます。口の動きを意識すると、効果的です。 口を大きく開けて、はっきりと発音すると、表情筋を動かすエクササイズにもつながります。照れくさければ、例えば、「ア・イ・ス」「パ・イ・プ」「ラ・イ・ス」などでもいいですが、気持ちを込めやすい「ありがとう」は、唾液を増やすためのオススメの言葉です。 

『口がきれいだと、健康で長生きできる 万病・突然死を遠ざける近道』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

口を動かさなくても、気心がしれた相手なら自分の気持ちを察してくれることもあるでしょう。またスマホやメールを使えば、口を動かさなくても、自分の思いを伝えることができます。でも、口を意識的に動かすと、唾液が増えるのです。大切な人を思ってあたたかい気持ちになれば、 心が落ち着いて、さらに口が潤います。

生まれる前、私たちは羊水の中にいました。私たちは潤いにずっと守られてきたのです。それなのに、口の中を乾燥させてしまってはいないでしょうか。喫煙、アルコール、長時間労働、ストレス――あなたは口を酷使していないでしょうか。残念ながら、わたしたちを取り巻く環境は、ますます口の乾きを促進するようになっています。

唾液を増やして、口内をきれいに保つことが、自分を大事にする第一歩です。これを読んで実行することで、おいしいものを食べ、大きく口を開けて笑っていただけたら、と思います。

古舘 健 MDアンダーソンガンセンター博士研究員

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ふるだて けん / Ken Furudate

医学博士・日本口腔外科学会口腔外科認定医・弘前大学医学部附属病院歯科口腔外科助教。1985年、青森県に生まれる。三本木高等学校・北海道大学ではハンドボールのゴールキーパーとして優秀選手賞・敢闘賞を受賞、全国大会出場やドイツ・フランス遠征を経験。北海道大学歯学部卒業後、平均寿命が全国ワースト1位の青森県に戻り、青森労災病院、弘前脳卒中センター、鷹揚郷腎研究所、つがる総合病院、脇野沢診療所などで地域医療に従事。バルセロナ・メルボルン・香港など国際学会でもガンなど口腔顎顔面領域の疾患に関する研究成果を発表。口と体を健康に保つ方法を体系化、健「口」習慣のススメとして広く発信している。ASEAN歯科医療ネットワーク理事。現在は、アメリカ・ヒューストンにある全米No.1のガンセンター、MDアンダーソンガンセンターで最新のゲノム研究に取り組んでいる。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事