ミッキーvsキティ、JR2社「コラボ対決」の裏側 新幹線から在来線まで、西日本と九州の戦略
ミッキーマウスが組んだのはJR九州だったが、日本が世界に誇る人気キャラクター、「ハローキティ」が選んだのはJR西日本だった。
JR西日本は2008年に同社の交通系ICカード「ICOCA」のイメージキャラクター「イコちゃん」とキティのコラボ商品を発売しており、JR西日本とキティの関係は古い。昨年6月30日には、男の子に人気の高い「500系」新幹線をピンク色に染めた「ハローキティ新幹線」に変身させ、関係者の度肝を抜いた。(2018年7月2日付記事「世界が絶賛、『ハローキティ新幹線』の衝撃度」)
新幹線に続き、今年1月29日からは関西国際空港と新大阪・京都などを結ぶ「はるか」に「ハローキティはるか」がデビューした。当初は1編成のみだったが、その後本数を増やし、現在ははるかの約半分がキティはるかとなった。関空に降り立った訪日外国人観光客の中には日本に来てからこの列車の存在を知る人も多く、「見たい、乗りたい」という声が続出。こうした声に応えた形となった。
「少し待てばキティはるかがやってくるので、この列車に乗るお客様や写真撮影されるお客様が多く見られる」とJR西日本の担当者は破顔の表情で語る。
環状線にもキティ登場
導入に要した費用はラッピング費用およびサンリオに支払うロイヤルティー。これに対して運賃収入増やグッズ販売の売り上げが得られるが、「広告効果を狙っているので採算は度外視」(JR西日本)という。
キティとのコラボはさらに続き、今年4月1日からからは大阪環状線を走る「323系」にキティ列車が登場した。その名は「ハローキティ環状線トレイン」だ。
JR西日本は「大阪環状線改造プロジェクト」と題して、駅舎の改良、高架下の開発などの施策を進めているが、今回のキティ環状線はその一環。323系の1編成について、列車の先頭部分を装飾するほか、車内にもキティの装飾があふれる。
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