そんなときにお見合いを申し込んでくれたのが修一さんだった。優子さん好みの高身長である。しかし、見た目にひかれたわけではないと優子さんは断言する。
「顔が丸くてカッコよくありません。何も感じることはなかったですね。でも、私も年齢が年齢なのでアプローチされたら取りあえず2度目までOKすることに決めていたんです」
相変わらず言いすぎである。修一さんは大丈夫なのか。
「彼女はいつもこんな調子です。まったく遠慮がありません。でも、大丈夫。僕はドM体質ですから!」
こんな2人であるが、会話の相性はいい。優子さんによれば、お見合いの席では天気などの世間話をする男性が多かったのに比べて、修一さんはなぜか学校給食やいじめ問題を提起。それが意外で、かつ「つまらなくはない」と感じた。
「その結婚相談所では、お見合いした翌日の正午までに仮交際するかどうかを返信しなければいけないシステムでした。生理的に嫌ではなかったので取りあえずOKしました」
ロマンチックではない退会理由
上から目線すら感じる優子さんだが、2度目に修一さんと会ったときは極度に緊張したと振り返る。
「お見合いは平気です。一度きりで二度と会わないことばかりですから。でも、西澤さんとは交際や結婚の可能性があると思ったら緊張してしまいました。この関係性を大切にしなくちゃと思うほど、変なことを言ってしまうんです……」
当日のことを修一さんは覚えている。2人が座った席から窓越しに見える見知らぬ会社のことについて語り続ける優子さん。血液型がA型の修一さんに向かって「A型の人は嫌い」と明言する優子さん。修一さんは彼女のことがますます気になった。
結婚相談所での出会いの場合、「交際」が始まってからの話は早い。3カ月程度で結論を出すように求められるからだ。交際を継続したいときは、結婚を前提として同時に「成婚退会」することになる。ここで修一さんはロマンチックではない退会理由を明かす。
「お金がもったいないのでそろそろ退会しようと思っていたタイミングでした。彼女とは週2ペースで会っていて、とくに違和感もありません。お互いに派手好きではなく、1円10円もないがしろにしない金銭感覚が似ているとも感じました」
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