「サバサバ女子」は誰と結婚するとうまくいくか ロマンチック"ではない"結婚の醍醐味

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一方の優子さんも大恋愛で結婚したわけではないと断言する。

「私がはっきりとものを言っても平気な人なんだ、お互いに地を出せるんだ、と思いました」

一緒にいて違和感がない、金銭観が似ている、自分を取り繕わなくても大丈夫。これだけ揃っていれば共同生活に十分だろう。激しい恋愛感情はむしろ判断を鈍らせることもある。

結婚してからも、優子さんはズバズバものを言って修一さんはそれを受け流す日々を送っているらしい。例えば、車の運転。優子さんに言わせれば、修一さんは準備が遅い。

「右折することがわかっているんだから、早めに車線変更をしておけばいいのに、ギリギリになって慌てたりするんです」

車に乗ると急にせっかちになるのは愛知県民の特徴であるが、のんびり屋の修一さんは例外のようだ。「なんでそんなことで怒るのかな」と首を傾げ続けている。

似ているところがなくても…

新居はお互いの実家へ車で30分以内で行ける場所にマンションを見つけることができた。修一さんは長男だが、実家の母親のことは未婚の妹に任せればいいと考えている。将来的には、優子さんの両親のお世話を夫婦でするという見通しだ。

「今はピンピンしていますけど、いずれは2人で彼女の実家に入るのかなと思っています」

予想外の柔軟性を発揮する修一さんの言動に優子さんは喜びと戸惑いを隠せない。

「父とは違って、母は私に依存する傾向があります。弟は結婚して子どもがいるので、長女の私にはできるだけ近くにいてほしいようです。西澤さんがこんなことを言うと、母が調子に乗るので困ります」

修一さんと優子さんは性格も外見も似ていない。でも、お似合いの夫婦なのだ。こんな感想を持っていると、yonezawaの名物だという土鍋ご飯が出てきた。お好みで卵かけご飯にできるらしい。修一さんと筆者は即座に生卵を手に持った。優子さんはどうします?

「興味がある人がどうぞ。私はせっかくの炊き立てご飯がもったいない気がするので遠慮しておきます。あ、またやってしまいました。こういうときにはっきり言ってしまうんです……」

確かにちょっと変わった人だ。でも、裏表がなくて面白いとも感じる。優子さんと筆者のやり取りを聞いているのか聞いていないのか、修一さんは背中を丸めて卵かけご飯を夢中で食べている。

大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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