修一さんは感じがいいけれど自己主張が弱すぎるのだ。「あなたと一緒にいたい」「今日は楽しい」といった基本的な感情すらわかりにくく、伝わりにくい。これでは相手の女性は不安になるだろう。
「そうなんですよ。西澤さんはグイグイ来てほしいときに来ない人なんです。性格が悪いんですよ」
いきなり優子さんが口を挟んだ。しかも、容赦のない悪口である。不満は後で聞くのでちょっと待ってほしい。修一さん、なぜ優子さんにお見合いを申し込み、結婚したのか。ここはビシッと愛の言葉を聞かせてください。
「え? いや、まあ、キレイでかわいらしいと思ったから申し込んだんですよ。普通に会話もできましたし、これは今までと違って長続きしそうだなと思いましたね。3カ月後に2人そろって成婚退会し、翌年に婚姻届を出しました」
淡々とすべきでない局面で淡々としている修一さん。照れ屋なのかもしれない。隣席で言いたいことが蓄積されている様子の優子さんにバトンタッチしてもらおう。40代半ばになるまで結婚しようとは思わなかったのだろうか。
いわゆる「サバサバ系女子」の優子さん
「いえ、20代から合コンには積極的に参加していました。でも、はっきりしすぎている性格が災いして、交際には至らないことばかり。例えば、明日の予定や終電の時間を考えると2次会には行きたくないと思ったらはっきり断ってしまいます。私、サバサバ系なのです」
いわゆる「サバサバ系女子」問題である。性格がさっぱりして明るいというよりも、他人の感情や場の空気を読んで行動するのが苦手な人が多い印象がある。よくも悪くも協調性がないのだ。
結論を急ぐようだが、優子さんのような人は度量が広い人か精神的なマゾ体質の人をパートナーに選ぶしかないと思う。つまり、余計なことをつい言ってしまう自分を面白がってくれる相手をありがたく受け止めて愛するのだ。しかし、自分一人ではこのような結論には行き着きにくい。
「40歳までは結婚相談所のお世話にならずに相手を探したいなと思って合コンに参加していました。でも、年齢を重ねるとお互いに決断力が高まりますよね。会った瞬間にあっさりと断ったり断られたりすることが続きました。40歳になったのを機に結婚相談所に入りましたが、あまり熱心には活動していません。
お見合いなのだから相手を選んでいいのかなと思って、自分の前後5歳ぐらいの背が高い男性に申し込みをしていましたが、断られることが多かったです。お見合いができても、恋愛経験が少なさそうな押しが弱い男性だったり。私がはっきりとものを言うと引かれてしまいます」
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