米6月雇用統計22.4万人増、予想大幅に上回る 

FRBは予想通り7月末に利下げを実施するのか

 7月5日、米労働省が発表した6月の雇用統計は、非農業部門雇用者数の伸びが大幅に回復したが、賃金上昇率は緩やかだった。写真は求職者ら。サンフランシスコで2012年8月撮影(2019年 ロイター/Robert Galbraith/File Photo)

[ワシントン 5日 ロイター] - 米労働省が5日発表した6月の雇用統計は、非農業部門雇用者数の伸びが大幅に回復したが、賃金上昇率は緩やかだった。急速な経済減速を示す指標が相次いでおり、依然として米連邦準備理事会(FRB)が今月にも利下げを実施する可能性がある。

非農業部門の雇用者数は22万4000人増と5カ月ぶりの大幅な伸びで、ロイターがまとめたエコノミスト予想の16万人増を上回った。4月と5月を合わせた雇用者数は従来から1万1000人下方改定された。

上半期の就業者数は平均で月に17万2000人増だった。2018年の月間平均である22万3000人増から減速した。ただ労働年齢人口の伸びを維持するのに必要な約10万人をなお上回っている。

景気拡大は過去最高期間となる10年に達したが、ペースは減速している。昨年の大規模な減税や財政出動の効果が薄れている。アトランタ地区連銀の経済予測モデル「GDPナウ」によると、第2・四半期の米国内総生産(GDP)伸び率見通しは年率1.3%。第1・四半期GDPは3.1%増だった。

賃金は、10年ぶりの大幅な伸びとなった昨年末から鈍化している。物価上昇圧力が緩やかになっていることを示す。時間当たり賃金は前月比0.2%(6セント)増。前月は0.3%増加していた。6月の前年同月比は2カ月連続で3.1%増だった。

労働市場に参入する人が増える中、失業率は0.1%ポイント上昇し、3.7%となった。最近見られた失業率低下の一因は、市場から抜ける労働者がいたためだ。現在は職を探していないが働く用意のある人(縁辺労働者)や正社員になりたいがパートタイム就業しかできない人を含む広義の失業率(U6)は7.2%と、前月の7.1%から上昇した。雇用主が適切な人材を見つけられないことも雇用鈍化の一因。求人件数は約740万件だった。

6月はほぼ全ての部門で雇用が伸びた。ただ小売業は5カ月連続で減少した。製造業は1万7000人増。自動車産業を中心に在庫の積み上がりが重しとなっているにもかかわらず雇用が増えた。貿易摩擦のほか、米航空機大手ボーイング<BA.N>の旅客機を巡る問題なども製造業の重しだ。

建設業は2万1000人増。前月は5000人増だった。政府部門は3万3000人増。前月は1万1000人減だった。平均週間労働時間は3カ月連続で34.4時間だった。

FRBは先月、緩慢な物価のほか、米中貿易摩擦による経済へのリスクが高まっている点を指摘し、早ければ7月30─31日の会合での利下げを示唆した。

トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は先週、首脳会談を開き、追加関税の先送りと通商交渉の再開で合意した。トランプ氏は3日、中国との妥結は「急がない」と述べた。また、中国と欧州が「為替操縦ゲームを派手に楽しんでおり、米国と張り合うために金融システムにお金をつぎ込んでいる」と批判した。貿易摩擦によって景況感が悪化しており、設備投資や製造業の重しになっている。

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