女子高生が愛用する「勉強に役立つ手帳」の正体 社会人にも役立つ最強のアウトプット勉強法

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⑤指標を1つにしない

以前ダイエットをしていたとき、きちんとトレーニングをしているにもかかわらず2キロ太ったことがありました。「おかしいな」と思ってよくよく調べると、増えたのは筋肉量。体重という指標だけで見るとダイエットは失敗ですが、本当はそうではなかったのです。

成果を見る際は、学校の成績やテストの点数だけを指標にしないこと。実際に点数が上がるには時間がかかるので、「頑張っているのに結果が出ない」と思い込んでしまいます。解いた問題集のページ数、覚えた単語数など、複数の指標を持つようにしましょう。

加えて、結果だけでなく努力も評価すること。いちばんわかりやすい指標は勉強時間です。1日ごとに時間を決めるよりも、週単位がおすすめ。例えば、1日3時間×7日=週21時間を目標にしたとすると、「今日2時間しかできなかったから、足りない分は週末に頑張ってクリアしよう」というようにゲーム性を持って取り組むことができます。それがまたドーパミン分泌につながるのです。

「承認欲求」も満たせる

⑥イラストや色でデコレーションする

「スタディプランナー」を使う女子中高生は、カラフルなペンやシールでページをかわいらしくデコレーションしますが、楽しく書くことでドーパミンが出るという以外にもメリットがあります。

『学びを結果に変える アウトプット大全』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

まず、絵や図を描き加えることで「画像優位性効果」が生じ、文字のみの場合よりも記憶に残りやすくなります。「喜怒哀楽が刺激されると記憶が増強される」という法則もあり、かわいいイラストやマークを描くだけで感情が刺激されて記憶に残るという事実も。また、色彩が脳を刺激することもわかっています。

⑦「勉強垢」でみんなとシェアする

ツイッターやインスタグラムでは、「勉強垢(垢=アカウント)」を作って自分の勉強の進捗をシェアする人が増えている様子。「#スタディプランナー」というハッシュタグを見てみると、おのおのが自由に書き込んだ「スタディプランナー」の画像とともに、勉強の状況や心情がつづられています。

これはとてもいい習慣。長時間1人で勉強していると、飽きたり不安になったりしますが、ほかの人と勉強法を教え合ったり、励まし合ったりすることで、勉強効率はアップします。「いいね」がもらえたら承認欲求も得られるので一石二鳥です。

樺沢 紫苑 精神科医、作家

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かばさわ しおん / Shion Kabasawa

1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴの イリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。SNS、メールマガジン、YouTubeなどで累計40万人以上に、精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝え、「日本一、情報発信する医師」として活動している。『学びを結果に変える アウトプット大全』(サンクチュアリ出版)、『読んだら忘れない読書術』(サンマーク出版)、『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術』(大和書房)など著書多数。

 

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