解散に怯える野党、「から騒ぎ」の会期末政局 メディアの注目は戦争発言の丸山穂高議員に

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国会最終盤の与野党の動きを、多くのメディアは「緊迫の攻防」などと大仰に伝えたが、実態は「余裕の自民と、弱気の野党による田舎芝居」(閣僚経験者)だった。本来なら政権の失政を批判して「国民に信を問え」と迫るのが野党の常道だが、今回は攻防の構図が逆転していた。

夏の参院選をにらんで処理すべき案件を絞り込んだ政府・与党は、会期末を待たずに重要法案処理を済ませる一方で、首相や政権幹部が「阿吽(あうん)の呼吸」(自民幹部)で解散風を吹かせて会期末政局の主導権を握り続けたからだ。

解散への不安を隠さなかった立憲民主党

これに対し、野党陣営は衆参同日選への怯えばかりが目立った。立憲民主党の枝野幸男代表は、勝負のポイントとなる党首討論や内閣不信任決議案提出について「解散を誘発しかねない」との不安を隠さず、及び腰の対応に終始した。

最大の勝負手となる不信任決議案について「最後まで首相の出方を見極める必要がある」と繰り返し、6月9日前後にメディアが一斉に「首相が解散見送り」と報じると、「解散がなくなったから不信任案を出したと思われたらしゃくだから、参院で首相問責決議案を出す」などと対応が迷走した。

これには国民民主、共産両党の幹部が「戦う姿勢をみせる必要がある」「しゃくだから出さないなんてありえない」と批判するなど、主要野党の足並みの乱れも露呈。6月19日に開催された党首討論では、立憲民主・枝野、国民民主・玉木雄一郎、共産・志位和夫の3党首は合計約40分間の討論時間の大半を老後資金2000万円問題の批判に費やし、解散に言及しなかった。

このため、党首討論のアンカー役だった日本維新の会の片山虎之助・共同代表が「誰も聞かないから」と枝野氏らの怯えを皮肉ったうえで、「総理、解散するんですか、しないんですか」と切り込んだ。安倍首相は余裕の笑顔で「頭の片隅にはないし、片隅にもない」と改めて解散説を否定してみせた。

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