解散に怯える野党、「から騒ぎ」の会期末政局 メディアの注目は戦争発言の丸山穂高議員に

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衆院本会議で内閣不信任決議案が反対多数で否決され、一礼する安倍晋三首相(前列右)ら(写真:時事通信)

平成と令和にまたがる通常国会が26日、当初の会期通りに閉幕した。安倍晋三首相が衆院解散・衆参同日選挙を見送ったことで、7月4日公示、同21日投開票の参院選日程が決まった。

すでに準備を整えている各政党と政治団体は、国会閉幕と同時に選挙活動を本格化させる。

解散をめぐって広がる疑心暗鬼

「衆院解散があるのか、ないのか」。通常国会終盤の与野党の攻防は解散風に揺れ続けた。解散をめぐる政権幹部の発言が衆院全体に疑心暗鬼を広げ、各議員は10連休やその後の週末を「田の草取り(選挙運動)」に駆り立てられた。

中でも、野党第1党の立憲民主党の解散への怯えが際立ち、「会期末の恒例行事」とされる内閣不信任決議案提出にも最後まで躊躇したことが、「多弱野党の意気地のなさ」(首相経験者)を浮き彫りにした。

解散権を持つ首相にとって「野党陣営のかく乱」(側近)という狙いが当たった格好だ。会期末前日の25日に野党5会派が恐る恐る共同提出した不信任決議案を、与党は「まったく理由がない」として圧倒的多数で否決した。

ただ、会期末政局の圧勝で自民党の参院選勝利が決まったわけではない。ここにきて「老後資金2000万円不足」問題を筆頭に政権の失点が相次いでおり、最新の世論調査でも内閣支持率は下落している。12年前の「参院選惨敗―首相退陣」の悪夢が最大のトラウマとされる首相は、参院選投開票日までの3週間余を「内心は戦々恐々で過ごす」(自民長老)ことになりそうだ。

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