「文武両道の東大生」の勉強法が効率的すぎた 事実、「ガリ勉で東大合格」は意外と少ない
例えばある東大生は、サッカー部の部長を高校3年生の10月まで務めたうえで、そこからたった4カ月で東大に合格したそうなのですが、彼は「忙しいことが1番の時間術だ」と語ってくれました。
彼の部活は非常に拘束時間が長く、放課後からずっと練習をして、夜9時に帰宅するのが当たり前の高校時代を送っていました。一見勉強する時間なんてなさそうなスケジュールですが、時間がないからこそ逆に、スキマ時間や空き時間を有効活用する術を自分なりに模索できたのだそうです。
例えば「今日は部活から帰ったら疲れて寝てしまって、勉強はできないだろうな」と考えたら、宿題や復習を授業が終わった後の時間で済ませてしまうのだそうです。逆に、久々に部活がない日や早く終わった日は、「今のうちに勉強を先に進めておいて、来週のスケジュールを少しでもラクにしよう」と勉強にあてることができたのだそうです。
さらに、彼はサッカーの練習の合間やグラウンドの掃除をするときに、今日の授業のことを思い出して「ああ、今日はこんな授業だったな」と復習をしたそうです。その復習の中で「あれ? この授業ではなんて言ってたっけ?」と思い出せなかったことは、帰りの電車でノートを見返して復習……という方法を編み出したのだそうです。机に向かわずに、部活と下校の間だけで授業の内容を復習していたというわけです。
時間がないからこそ、時間の使い方がうまくなる
部活があって、時間がないからこそ、自分で時間を有効活用する手段を作らなくてはならない。そういう状態にある人間というのは、時間がある人間よりも何倍も時間を使うのがうまいのです。
恥ずかしながら、僕は高校3年生時点で偏差値35だった人間です。思い返してみると自分は部活動に所属しておらず、彼ら彼女らより何倍も時間があった人間なのですが、授業の内容を復習するのに何時間もかけていたように思います。
パパッと復習すればいいものを、だらだら何度もノートを見返したり、ぼーっとしたりしてしまっていた。それはなぜかといえばきっと、「時間があったから」です。
たしかに僕は彼ら彼女らよりも10倍近く自由な時間を持っていたのでしょうが、だからこそ、その価値を知らなかった。逆に、彼ら彼女らは時間がなくて、時間の価値を知っていたからこそ、「短い時間を有効活用すること」が僕の100倍うまかったのだと思います。
そしてそういう人間は、いざ使える時間が長くなったときに、常人の100倍効率よく結果を出せるのです。10月で部活を引退してから受験まで、たった3〜4カ月しかなかった彼ですが、その時点では偏差値は60程度。東大の偏差値には、だいぶ足りない地点からの挑戦でした。
しかし、部活をやめて本腰を入れて勉強するようになってからの彼の成績の上がり方はすさまじく、一気に偏差値を上げて危なげなく東大に合格してしまったのだそうです。
部活動をしながら東大に合格した人間は、「時間がないのに合格できた」のではなく、「時間がないからこそ合格できた」と言えるのかもしれません。時間がないからこそ、時間の大切さを知ることができて、時間の有効な使い方も学ぶことができたというわけです。
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