将来のお金に不安が募る人に教えたい鉄板知識 泣くか笑うかはコントロールできるかどうかだ

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お金について考えた場合、どの世代にも多いのが「老後の不安」ではないだろうか。事実、金融広報中央委員会のアンケートにおいても、年金受給時期になっている70歳以上の人の約7割が、老後の生活について「心配である」と答えている。

だが、それ以上に驚くべきは、20~49歳で「心配である」と答えている人が9割近くに及ぶということだ。老いも若きも老後に不安を抱えているわけで、その理由として目立つのが「年金や保険が十分ではないから」(72.6%)、「十分な金融資産がないから」(69.0%)というもの。

日本の公的年金や健康保険、介護保険などの社会保障は、世界的に見て相当高いレベルにあります。
そのため、現在のリタイア世代は、比較的余裕のある生活を送っている人が多いのですが、急テンポで進む少子高齢化によって、いずれこの社会保障レベルを維持することは困難になるでしょう。
そのことを察知している若い世代に「将来の社会保障制度改正が不安だ」「日本の財政が破たんしないか心配だ」といった疑心暗鬼が広がっているのです。(34ページより)

事実、井澤氏のもとへ相談に訪れる若い人たちも、その多くが「親世代とは違うマネープランを立てておかなければならない」と感じているのだそうだ。つまり、若い人ほど老後の生活に不安を感じているということである。

もらえるお金を可視化する

そんななか、「将来は年金が全然もらえないかもしれない」と考えている人は少なくないだろう。だが井澤氏は、「公的年金がゼロ」という事態に陥ることはまずありえないと予測している。

国民年金や厚生年金などの公的年金は、受給者が生きている限り支給されるというのだ。しかも企業年金がある会社に勤めているなら、さらに年金受給額は増えることになる。

だからこそ老後の生活設計を考えるときは、まず自分の年金受給額を確認することが重要。年金を可視化すべきだというのである。それは、次のようなことだ。

・ 公的年金……「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を使って、支給額の目安を把握する(筆者注:国民年金や厚生年金などの公的年金については、別項で解説されている)
・ 企業年金……勤務先の制度を退職金とともに調べて、どの程度の支給額になるのか、おおよその見当をつける
(36ページより)

例えば、国民年金に40年間加入していた個人事業主や専業主婦は月に約6.5万円、厚生年金がある会社員や公務員なら月に10万~17万円程度が、支給額の目安だと井澤氏は記している。そうした目安を知っておくだけでも、老後の生活設計が立てやすくなるということだ。では、年金について詳しく見てみよう。

次ページそれぞれでもらえる年金額は?
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