外国人スタッフに仕事を「目で覚えさせる」工夫 わかりやすい「絵カード」を作るポイントとは

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<タイプ3 業務のコツ・ポイント>

業務の中でとくに重要な「望ましい行動」を提示するタイプ。

どのようなときにどれくらいのボリュームの声が最適かを数段階に分けて図で表したり、シーンに合わせたお辞儀の仕方をわかりやすく明示する際などに有効です。ひと目でわかるように、シンプルな絵(写真)で構成しましょう。

<タイプ4 職場内にマーク等を設置>

絵カードとは異なるタイプの視覚的支援です。職場の“モノ”にマークをつけることで、「望ましい行動」を引き出すことができます。

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例えば、テーブル全体をくまなく拭くという行動を身につけてもらいたいなら、番号シールを貼ったトレーニング用テーブルを用意する。飲食店などで、料理を運ぶとき以外に待機する場所を習慣づけたいのであれば、店内がよく見渡せる場所の床に印をつけるなど。

「視覚的支援」に求められるのは、パッと見ただけで「やるべき行動」「やってはいけない行動」が瞬時にわかることです。ですから職場で使う「絵カード」について、美しさやセンスのよさを求める必要はありません。

もちろん職場にイラストをササッと描けるメンバーがいれば、その人に依頼してもよいですが、基本的には写真を活用すればオーケーです。

メッセージをひとつにしぼる

「絵カード」のいちばん大事なポイントは、1枚のカードで伝える情報をひとつのメッセージ、もしくはひとつの行動に絞ることです。

撮影した写真を絵カードの形にする際は、必要な部分だけを“トリミング”することが重要です。見た目がごちゃごちゃしていて、そこに複数の情報が含まれていると、どこに注目したらいいのかわかりません。

また、職場で実際に使うアイテムと、写真に写っているアイテムの「色」や「デザイン」が違っていると、見た人が混乱してしまうので要注意。

少々手間のかかる「絵カード」づくりですが、1度つくってしまえば、そこに表した情報(メッセージ、やり方、手順、スケジュールなど)は、もう繰り返し伝える必要がなくなります。

上司のあなたやほかの指導者がその場にいなくても、絵カードを手がかりにみんなが望ましい行動をしてくれるので、何度も同じことを口頭で伝える必要がなく、あなたの手間も省けます。

業務に大きな変更がない限り、何年もそのまま使えるので、ぜひ実践してみてください。

石田 淳 社団法人行動科学マネジメント研究所所長

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いしだ じゅん / Jun Ishida

株式会社ウィルPMインターナショナル代表取締役社長兼最高責任者
社団法人行動科学マネジメント研究所所長。(株)ウィルPMインターナショナル代表取締役社長兼最高責任者。アメリカ行動分析学会(ABAI)会員。日本行動分析学会会員。日本の行動科学(分析)マネジメントの第一人者。

アメリカのビジネス界で絶大な成果を上げる人間の行動を科学的に分析する行動分析学、行動心理学を学び、帰国後、日本人に適したものに独自の手法でアレンジし「行動科学マネジメント」として展開させる。

精神論とは一切関係なく、行動に焦点をあてた科学的で実用的なマネジメント手法は、短期間で8割の「できない人」を「できる人」に変えると企業経営者や現場のリーダー層から絶大な支持を集める。現在は、日本全国の人材育成、組織活性化に悩む企業のコンサルティングをはじめ、セミナーや社内研修なども行い、ビジネスだけでなく教育、スポーツの現場でも活躍している。日経BP「課長塾」の講師でもある。

主な著書に累計部数40万部のベストセラーとなった『教える技術』『〈チーム編〉教える技術』『マンガでよくわかる 教える技術』『マンガでよくわかる 教える技術2<チームリーダー編>』、大判の『〈図解〉教える技術』(すべて小社)ほか多数ある。趣味はマラソンとトライアスロン。

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