外国人スタッフに仕事を「目で覚えさせる」工夫 わかりやすい「絵カード」を作るポイントとは
実際に外国人を雇用しているマネジャーや経営者に「絵カード」の導入を提案すると、最初はかなりの割合で「そんな子どもっぽいものをビジネスの現場に持ち込むのですか?」といったリアクションを受けます。
しかし私たち自身も、日々の暮らしやビジネスの中で、広い意味での「視覚的支援」を活用しています。例えば、
・目的地がどこにあるのか、すぐに見当がつく「地図」
・ひと目で予定を把握できる「カレンダー」や「スケジュール帳」
など。いずれも、もし言葉だけの説明だったら、短時間で正しく理解するのは難しいですよね。パッと見てすぐわかり、即座に行動を起こせるのは「視覚的支援」のおかげです。
また、「交通標識」や「街なかの案内板」も視覚的支援のひとつですし、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの準備でも「ピクトグラム」の活躍が期待されています。
こうした「パッと見て理解できる工夫」は、日本語が片言の外国人スタッフはもちろんのこと、日本語がペラペラの外国人、日本の新人社員、ベテラン社員、子ども、高齢者、障害者など、あらゆる人たちにとっても理解しやすく、より暮らしやすい社会づくりに役立つものなのです。
4つのタイプ別「絵カード」
「うちの職場でも絵カードを取り入れてみたいけれど、どんな業務についてどんな絵カードをつくったらいいのか見当がつかない……」という方のために、職場での視覚的支援の具体例を4つのタイプに分類しました。
あなたの職場で“教えたい業務”“伝えたい情報”が、4つのタイプのどれに当てはまるのかがわかれば、どのような視覚的支援をすればいいかが明確になるはずです。
いくつかのプロセスから成り立つ業務の手順を説明するタイプ。
例えば、「お客様を応接室へ案内する際の手順」や「トイレの手入れの順番と拭く場所」などを、複数のイラストとともに、番号、矢印などを使って、目で見てわかるようにします。解説文を入れる場合は、端的にわかりやすく、漢字などは使わずひらがなとカタカナのみで構成するなどの工夫が必要です。
「このように配置しましょう」「この状態になったら完成です」という「望ましい状態」情報を伝えるタイプ。
例えば、「みだしなみのチェック」や「正しい陳列の仕方」「引き出しに入れる文具の配置」「持ち物リスト」など、それを見てそのとおりにまねをすれば、望ましい状態になるようにします。
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