日本の「野党」が絶望的なほど情けない根本理由 個人主義のお子様軍団になっている

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――首相の大人げない言動も、つとに指摘されるところです。

カミソリ後藤田が残した本が『情と理』。情、です。彼がいちばん警戒したのは、人の気持ちに寄り添えない人間。今、安倍さんに警告を発しているのは小泉、山拓、亀井静香など自民党の爺さんばかり。政党が大人の集団じゃなくなり、広告代理店と無教養で人の気持ちがわからない学校秀才による政治に見えているのでしょう。

それでも、組織としては自民党のほうが大人。大臣の失言が続いても、「バカな連中は放置」とせずに、失言防止マニュアルを作っちゃう。不倫騒動の今井絵理子も、統一地方選の「どさ回り」応援演説にあえて行かせて鍛える。これで安倍さんが引退して、もっとソフトなリーダーが「脱原発」なんて言ったら、もう永久政権ですよ。

野党は仲間を減らし続けている

――自民党は仲間を切り捨てない。

『なぜリベラルは敗け続けるのか』(岡田 憲治 著/集英社インターナショナル/1600円+税/248ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

小異を捨てて大同につき、仲間を増やし、政策を実現するのが政治。わがリベラル陣営は、政党も支持者もピューリタン化で仲間を減らし続けている。選挙の際に、野党の党首がひとごとみたいに「皆さんの関心が高まらない」。

そうじゃない、ガチンコの戦いならみんな投票に行きますよ。有権者の選択肢を奪うことは万死に値します。前回の衆院選で得票数では与党を上回っていたのに、野党は候補者乱立を繰り返している。自民公認、公明推薦の候補に対し野党候補が複数いたら、最初から勝負あり。有権者は、勝つ気があるのかと心が折れます。

――ずっと子どものままですか。

自治体の首長経験者には、大人になる必要性を感じている人はいるが、それに費やされる膨大なコストにたじろいでいる。希望があるとすれば、私が住む東京の世田谷区のようなケース。社民党出身の保坂展人が直近の区長選挙で自民党支持層の3割をまとめ当選した。スローガンは「せたがやYES!」とポジティブで、彼は人の話をよく聞くようになった。世田谷区議選は自公が6人も減らしていますよ。地方自治は民主主義の学校。こんなところにヒントがあるのではないだろうか。

筒井 幹雄 東洋経済 記者

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つつい みきお / Mikio Tsutsui

『会社四季報』編集長などを経て、現職は編集委員。

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