「孫子の兵法」を仕事で応用する超基本ポイント

今さら聞けない基本知識を徹底的に解説

『孫子』が最も言いたかったこと。それは次のフレーズに凝縮されています。

「戦わずして勝つ」

ほかの兵法書が単純に目先の戦いに勝つことを目標とする「戦術」に重きを置いているのに対し、『孫子』は、国家の運営という大所高所から戦争という外交の一手段を俯瞰しているのです。そのキーポイントは「情報」です。そういう意味では、現代のビジネスの現場に大変通底するところがあります。

「情報を制して、戦わずにして勝つ」

これこそが、現代人が学ぶべき、孫子の最もすぐれたポイントなのです。

現代の2種類の「敵」に「情報力」で勝つ

さて、古代における敵とは、現代に置き換えたら誰になるのでしょうか。1つは、「競合相手」。つまりビジネスにおける同業者でライバルです。

もう1つは「顧客」です。市場でシェアを拡大し、自社の売上を伸ばすには顧客の心をつかまなければなりません。そのためにはライバルと顧客という「2種類の敵」をよく知るようにしなければなりません。

戦力は、ビジネスにおいては資金力であったり、社員のスキルであったりします。例えば、新規事業に参入しようとすれば、経営者は事業計画書を策定します。勝算(=ビジネスでの成功)の見込みを立てるには、自社の競争力、ライバルの動向などマーケットの状況をつぶさに調査しなければなりません。

また、戦場においては戦闘が、ビジネスで新規事業をスタートさせたときは市況などが、刻一刻と変化していきます。指揮官はその状況を見極めながら、臨機応変な対応を取らなければなりません。戦い方を変えなければならないこともあれば、時には撤退も考えなければなりません。そういった判断を正しく下すには、「情報力」が必要です。

戦いの場におけるデータを集め、正しく分析し、これからの行動にうまく活用しなければなりません。戦いにおいて勝利するには、また、ビジネスにおいて最大の利益を得るには、情報力が求められます。『孫子』が説く兵法は、この情報の扱いに重きが置かれているのです。

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