「スマートウォッチ」が暴いた31歳妻殺害の真相 記憶失った被告とアリバイなき夫の法廷対決
裁判所で何が起きているのか? 日本ではその実際の映像を見ることができない。
被害者はどんな表情で被告を見つめていたのか? 被告はどのような口調で自らの罪を否認しているのか? 私たちはニュースなどで伝えられる客観描写でのみ知ることとなる。
しかし、アメリカでは裁判長の判断でテレビカメラが入り生中継まで行われる。
去年2月、アメリカ・ウィスコンシン州・ブラウン郡裁判所で前代未聞の裁判劇を全米が目撃した。自らが証言台に立った被告が「真犯人は自分ではない。被害者の夫だ」と証言。明確によどみなく答える被告だが、証言の欠点は、ある時間帯の記憶を失っていたこと……。その被告の証言は信じられるのか?
一方、真犯人だと名指しされた内縁の夫にはアリバイがない。はたして評決の行方は……。『世界法廷ミステリー11 ~悪魔のアリバイ』(フジテレビで6月15日(土)21時~放送)ではその法廷対決に迫った。
若いカップルがショートメールのケンカから行方不明に
2016年5月21日の夕方、アメリカ・ウィスコンシン州の住宅から110番通報があった。同居している内縁の妻が昨夜から帰らず、携帯電話もつながらないという。通報者はダグラス・ディトリ、34歳。行方不明になっているのは内縁の妻ニコール・バンダーハイデン、31歳だという。2人の間には生後6カ月の赤ちゃんがいて、いずれは正式に結婚する間柄だった。
前日の夜、2人は赤ちゃんをベビーシッターに預けデートを楽しむことにしていた。だが待ち合わせのバーでニコールがいくら待ってもディトリは現れない。
彼はデートの前に友人たちと会食をしていて盛り上がってしまい、ニコールとの待ち合わせに遅れていたのだ。
ニコールは怒って店を後にする。このとき2人はショートメールで激しくケンカをしていた。
ディトリ:「待っていてよ」
ニコール:「あなたはふしだらな女が好きなのね」
ディトリ:「てめえ、なんだと!」
ディトリは後にバーに行ったがニコールの姿はなく、そのまま家に帰って寝たという。
しかし、翌日夕方になってもニコールが帰らず連絡もつかないため通報。警察は自宅に駆けつけ事情を聞いたが、このときはまだディトリも落ち着いていた。
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