お金持ちはなぜ「泥臭く」働くことを好むのか しっかりお金が貯まるのには必ず理由がある

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店は住宅街にあり、決してよい立地ではありません。しかし、デリバリーサービスをしたり、皆が休むチャイニーズニューイヤー(中国の旧正月・春節)にも営業したり、いろいろ工夫しているそうです。

高級食材を扱わない庶民的な中華の場合、メニューは炒め物が多く、仕入れ在庫のリスクは少なくなります。一方で、単価は安いので、客の回転率を上げることで儲けを大きくしなければいけません。そこで、皆が休むニューイヤーは書き入れ時と働くわけです。シンガポールでは、ニューイヤーには親戚一同で集まり、20人など大人数の食事を準備します。そんなときに営業して、しかもデリバリーサービスを行ってくれていたら大助かりなのです。

チャイニーズニューイヤーはタクシーのドライバーも休むので、その時期は反動で自動車のライドシェアの価格が4〜5倍に跳ね上がります。シンガポールに本社のある「グラブ」は今や東南アジアの配車サービス最大手です。私は、皆が働かないときに稼ぐ人は賢いと思います。

できる営業マンも、土日や連休などが書き入れ時になれば休まず、閑散期に休んでいる人が多いですね。自分が休みを取りたいタイミングではなく、仕事が落ち着いて差し障りのないタイミングで休むのです。また、シンガポールに赴任中の外国籍のビジネスマンも、休みを取らずに働き続け、土日や夜間にもメールでやりとりしたりする仕事好きが多いです。

店頭で接客もこなす「世界長者番付」入りの超富豪

シンガポールには、アメリカ経済誌『フォーブス』の「世界長者番付」リストにもランクインする超富裕層――数千億円の個人資産を保有する大金持ちも多くいます。ところが、そんな大金持ちが自ら店舗に立って働いていたり、一族でイベントに出席したりしている姿もよく見られます。お客様から注文を受けて動き回っていたりするのです。

華美ではなく、むしろ控えめな雰囲気でもあるので、あの人が超富裕層と気づかないことすらあります(間近で見ると、ただならぬオーラは感じます)。

セレブリティーシェフなどはメディア出演で忙しくて、自ら店舗に立つ機会は少ないと感じます。世界的なチェーン店がシンガポールから撤退することも少なくありません。ですが、オーナーシェフで自ら厨房に立っている、というお店は味が落ちず、しばらく間を置いて訪ねると新しい発見もあったり、いいところは残しつつ変化していると感じますね。

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