ウサイン・ボルト「世界最速」に学ぶ走るコツ 「走りのプロ」が速く走るコツを徹底伝授!
陸上男子100メートル9.58秒の世界記録保持者、ウサイン・ボルト。“地球上で最も速い男”はあまりにも有名です。ですが、「どうしてボルトは速いのか?」と聞かれて、具体的に説明できる人はほとんどいないのではないでしょうか。
まずは彼の速さの秘密を知るために、スピードには“絶対的な計算式”があることを説明します。
「速さの方程式」
速さというのは、ストライド(歩幅)とピッチ(回転)の掛け算によって決まります。ストライドが広くなれば1歩当たりで進む距離が伸びて、ピッチが速くなればなるほどスピードは上がります。
ボルトの場合は1歩のストライドは最大で約3メートル、1秒当たりの最大ピッチは4.7歩と言われています。これをストライド×ピッチの計算式に当てはめてみると……3メートル× 4.7歩、つまり1秒間で12〜13メートル進んでいるということになります。
面白いデータがあります。陸上選手の100メートルの速度の変化をグラフにしたものですが、ここではボルト選手と日本人初の9秒台を記録した桐生祥秀選手のレースをグラフ化しました。
多くの人が、100メートルのような短距離ではスピードは右肩上がりに伸びていくというイメージをしているのではないでしょうか。しかし、グラフを見ればわかるとおり、2選手ともレースの中盤で最高速度に達してからは、そこから低下しています。ボルトも例外ではありません。
では、ボルトがなぜ突出して速いのか。その理由に挙げられるのが速度の低下率です。彼が100メートルで9秒58を出した際、75メートル付近で最高速度12.35メートル/秒に達して、ゴールの時点でも12.05メートル/秒。速度はほとんど落ちていません。
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