「ネズミ」が激増するニューヨークのヤバい現状 真っ昼間から堂々と活動している

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コロンビア大学メールマン公衆衛生学部の研究者、サイモン・H・ウィリアムズは、建設工事がネズミに与える影響を「アリの巣を踏む」ことになぞらえた。

プロスペクトハイツでは、若い家族や中流階級の人々に人気のリンカーンプレイスのブロックにネズミが住みついている。その一角にある荒廃した建物では改築工事が行われている一方で、近所では新しい建物が複数建設中だ。こうした状況がネズミの増加につながっている。

ある晩には、「ネズミ通り」と呼ばれる歩道に沿ってずらりと黒いごみ袋の山が積まれ、ネズミがごみ袋の中で動くたびに袋自体が音を立てているかのようだった。辺りにはネズミの鳴き声が響いていた。

それでもネズミはいなくならない

この地区に暮らすエレラ・ヘンリーは、自身の車のボンネットの中でかじられた鶏の骨とネズミの糞を見つけた。イグニッションコードもかじられ、交換に150ドル(約1万6000円)かかった。娘のイザベラ(9歳)はこの通りを歩くのを怖がるようになったという。

市当局にはホットラインへの電話も含め、苦情が多数寄せられているが、ネズミの多さは相変わらずだ。ネズミが改築工事中のアパートの外に置かれたごみに群がっていると、住民らは指摘している。記録によればその建物は昨年以来、市の保健衛生調査10件で不合格となっている。

建物の管理業者で一部を所有している「FSG Realty」の共同オーナー、ゲッツ・オブストフェルドは、ネズミが出入りする穴を塞ぎ、ごみ箱を増やし、建設廃材を処分したと話した。

それでもネズミはいなくならない。「ネズミたちは活気に満ちたこの場所を気に入っている」と、この地区に暮らす元保全監督者のラッセル・コイト(66歳)は言う。「ここで投資もしたがっているんだろう」。

© 2019 The New York Times News Services
(執筆:Winnie Hu、翻訳:中丸碧)

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