「ネズミ」が激増するニューヨークのヤバい現状 真っ昼間から堂々と活動している

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ローラ・アングリン副市長は「ネズミがニューヨーカーの生活の質に大きな影響を与えていることは間違いなく、市政府はネズミの生息数を管理・軽減させる責任を真剣に受け止めている」と話す。「自分たちのコミュニティーにネズミがいることを好む市民はおらず、すべての地域においてネズミの数を抑制する取り組みを継続することに尽力している」。

ネズミの大量発生の大きな原因の1つが、ジェントリフィケーション(再開発による地区の高級化)だ。科学者や有害生物駆除の専門家によると、市内の建設ブームによってネズミが住みかを奪われ、表に姿を現しているという。

真っ昼間から堂々と動き回っている

気候変動によって冬の寒さが和らいでいることで、ネズミが生存、繁殖しやすくなっていることもある。また、ニョーヨークの人口が増加傾向で、観光も盛んなために、ネズミのエサとなるごみが増えている。

もっとも、ネズミの大量発生はニョーヨーク以外にも広がっている。フィラデルフィアやシカゴ、ロサンゼルスなどの都市も同じ問題に直面している。ニューヨークの科学研究者ロバート・コリガンは、「どこへ行ってもネズミの数は増えている」と言う。コリガンの推計では、一部の都市では生息数が15〜25%も増加したとみられる。

ネズミは人の生活の質に悪影響を与える単なる厄介者というだけでなく、健康上のリスクももたらす。2017年には、ネズミの尿を介して広がった細菌感染症、レプトスピラ症によってブロンクスの住民1人が死亡した。

ネズミはかつてニョーヨークでは影を潜めていたが、現在は真っ昼間から堂々と動き回っている。ひと切れのピザを運びながら地下鉄の階段を移動する姿を動画に捉えられたネズミは、「ピザ・ラット」としてソーシャルメディアのスターになった。

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