「ネズミ」が激増するニューヨークのヤバい現状

真っ昼間から堂々と活動している

アッパーウエストサイドの住民からは、子どもたちを遊ばせていた砂場にネズミが飛び込んだとの声が寄せられた(そのネズミは駆除された)。

デブラシオ市長はネズミ駆除の推進を呼びかけ、2017年には駆除に3200万ドル(約35億円)を投じると表明。ごみ回収を増やし、太陽光発電の圧縮式ごみ箱やネズミが入れないスチール製のごみ箱を設置、ドライアイスを使ったネズミ退治も実施している。

しかし、ネズミの目撃件数は、昨年は減少したものの、再び増加している。目撃の苦情が最も多く寄せられているのがアッパーイーストサイドで、プロスペクトハイツ、ベッドフォードスタイベサント、ブッシュウィック、オーシャンヒルというブルックリンの4地区が続く。

ネズミの根絶が不可能な理由

フォーダム大学生物学教授で、ニューヨークのチャイナタウンにあるコロンブスパークでネズミの観察を行っているジェイソン・ムンシ・サウスは、ニョーヨークはほかの都市より多くの措置を講じているが、ネズミを完全に根絶させるのは不可能だろうと指摘する。

その大きな要因の1つが市のごみ収集の方法で、回収日の前日の夜からごみ袋が歩道に何時間も放置されているのだ。「ネズミにとってはオールナイトの食べ放題だ」とムンシ・サウスは言う。

ニューヨークはネズミにとって「天国」なのかもしれない(写真:Stephen Speranza/The New York Times)

これまでネズミ問題とは無関係だった建物にもネズミは押し寄せている。非営利団体「Housing and Family Services of Greater New York」のラリー・ジェイソン代表は最近、ブルックリンのフラットブッシュで建設中の新しいタワーに隣接するアパートで、ごみ箱の中からネズミが飛び出すのを目撃した。彼がこれまで見た中で最も大きなネズミだったという。

「(建設中の建物の)隣に住んでいる哀れな人々に地獄をもたらしている」と、ジェイソンは話す。

市の建築基準法では、いかなる場所においても建物を取り壊す場合には、開発業者は免許を持った害虫・害獣駆除業者を雇わなければならない。しかし、新たに開発するケースに対してはこうした規則がない。

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