これは男性に子どもがいる場合も同様だ。「離婚歴があってもいい。でも、子どもがいない人」と多くの婚活女性たちが言う。男性が育てているわけではなく別れた妻側に子どもがいても、女性たちは同じ反応をする。
子どもがいない場合は、離婚をすれば赤の他人。しかし、子どもがいると夫婦の縁は切れたとしても、子どもの父と母という関係は変わらない。養育費の問題や、互いが死んでからの遺産相続問題など、関わらなくてはならないことが出てくる。
自分だけの再婚ではない
幸恵が婚活をスタートさせてみると、思っていたよりも多くの見合いが組めた。30歳という婚活市場においてはまだ若い部類に入る年齢だったのと、容姿がずば抜けて魅力的だったからだろう。
しかし、その先のお付き合いがどうも続かない。幸恵にとっては自分だけの再婚ではなく、子どもも含めての再婚。相手を信頼できるのはもちろんのこと、さらに子どもとの相性がどうかも見ていた。これは、ほかのシングルマザーたちも同様だろう。
ある見合いでは、こんなことがあった。
妻と死別した吉本智史(34歳、仮名)のプロフィールには、“5歳の男の子を育てている”とあった。お互いに子育ての大変さを共感し合えるに違いない。土日を利用して見合いを組み、土曜日は2人だけで、日曜日はそれぞれの子どもを連れて会うことにした。
「2人で会ったときから話がかみ合わなかったんですが、子連れお見合いをしたときに、この人とは家族になれないと思いました」
4人でファミレスに行った。
「吉本さんは、席に座ると真っ先にメニューを取り自分の食べるものを決めていました。自分の子どもにもウチの娘にもまったく話しかけず、オーダーを取りに店員さんが来ると自分が食べるものだけを告げるので、私がお子様ランチを2つと、自分が食べるものを頼みました。
料理が運ばれてくると、黙々と食べるだけ。隣にいる男の子は大きな声を出したり、お子様ランチの料理をわざとテーブルにこぼしてみたり、とにかくやんちゃでしたが、何の注意もしないんです」
そしてよくよく話を聞くと、シングルファーザーといっても子育てしているのは実家の両親で、吉本は実家の近くにアパートを借り、月曜から金曜まではアパートで一人暮らしをし、土日は実家で暮らすという生活をしていた。その話を聞いて、男の子のやんちゃぶりに合点がいった。
「お父さんの気を引こうとして、わざと怒られるようなイタズラをしているんだと思いました。でも、知らんぷり。息子さんが気の毒になりました」
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