3位はNTTドコモの64.8億円。2015年度の49.8億円、2016年度の64.7億円と高い水準を維持している。全国49カ所、約190haの「ドコモの森」活動での環境保全推進。スマートフォンや携帯電話のルールやマナー、身近なトラブル対処方法を啓発する「スマホ・ケータイ安全教室」の全国無償開催、アジア諸国の留学生を支援する「ドコモ留学生奨学金」制度なども行っている。
モバイルICTやIoTを活用した社会課題解決にも積極的だ。畜産農家の負担を軽減し、第1次産業の生産性向上を図ることを目的に分娩時に親牛の体温を感知し、メール通知するシステム「モバイル牛温恵」を提供するなど本業を生かした活動も多い。
以下、4位日本電信電話64.0億円、5位JT60.9億円、6位三井不動産60.3億円、7位サントリーホールディングス58.4億円、8位武田薬品工業55.9億円と続く。
10億円以上の支出は62位旭化成(10.0億円)まで。100位フジクラ(6.0億円)までの100社の合計は1958億円と多くの金額が社会貢献に使われている。
経常利益に対する支出額の割合をランキングに
続いて経常利益に対する社会貢献支出額が占める比率(「社会貢献支出比率」)を見ていこう。バラツキをならすため経常利益と社会貢献支出額はそれぞれ3年平均で計算。さらに利益が低く比率が高くなる企業を除外するため、売上高経常利益率1%以上、ROEプラスを条件とした。
トップは2年連続で印刷業中堅のサンメッセ(7.92%)。3年平均の経常利益2.48億円に対して0.2億円を支出する。
「地域社会との共生」をCSR活動の重要テーマ(マテリアリティ)に掲げ、本社がある岐阜県大垣市を中心に積極的に活動。知的障害者授産施設「ハーモニー大垣」によるパンの出張販売会の社内実施や本社野球場の少年野球や中学校等への貸し出しなどを行っている。
地元に生息する絶滅危惧IA類「ハリヨ(トゲウオ科の淡水魚)」を、岐阜県から許可を得て飼育したり年2回、全事業所で「オールクリーン大作戦」と称する清掃活動を実施するなど環境活動にも積極的だ。
岐阜県内の製紙会社や森林組合との協働でオリジナルの間伐材ペーパーの開発、販売を進めるなど事業活動による社会課題解決の取り組みも高いレベルだ。
2位は大日本印刷の6.14%。経常利益467億円に対して28.7億円を支出する。本社所在地の東京・市谷地区で武蔵野の雑木林を再生する「市谷の杜」計画を推進。全国の社員食堂で販売する「東北応援メニュー」の売り上げから東日本大震災被災地への寄付も継続している。
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