またしても残念な結果に終わった。
昨年12月、世界経済フォーラム(World Economic Forum)が発表した世界男女格差年次報告書(Global Gender Gap Report)の2018年版によると、日本の男女格差は149カ国中110位と先進国の中では圧倒的に低い順位となっている。とくに経済・産業分野における男女格差を表す「経済参加と機会」分野では117位であり、このうち「役員や管理職への登用」は129位とさらに下位となっている。
「女性の活躍推進」は、安倍政権が進める経済政策(アベノミクス)の成長戦略の1つの柱として掲げられてきた。2015年度以降、政府も毎年「重点方針」を掲げ、関連するテーマへの予算措置を講じている。にもかかわらず、女性の管理職や役員などへの登用は進んでいない。
女性管理職比率30%の達成に及ばない現状
政府は「2030年までに指導的地位に女性が占める割合を30%」という目標を掲げているが、実はこの目標が示されたのは2003年のこと。現状はどうかというと、厚生労働省が発表している「雇用均等基本調査」によると、2017年の女性管理職の比率(企業規模30人以上)は課長相当職以上(役員を含む)で8.9%にとどまる。
企業規模が大きくなるとその比率は低くなり、1000~4999人では6.5%、5000人以上では6.2%にとどまっている。目標設定から15年以上、経済政策の柱として本腰を入れてからでも5年が経過しているが、目標レベルの30%にすら達していないのでは、世界的な地位の向上など到底望めない。
東洋経済が毎年発行する『CSR企業総覧』の最新版となる2019年版が昨年11月に発売となった。年々、カバーする領域が拡大しているうえ、企業の情報開示への意識も高まっていることから、2017年版より「雇用・人材活用編」と「ESG編」の2分冊での刊行となっている。
テーマが広範になり多様化するなかでも、雇用に関する項目は依然として関心が高い。『CSR企業総覧』データを基にしたランキングシリーズでは、いくつかの注目テーマを取り上げているが、本稿では女性の管理職登用に関して、各企業の状況をご紹介していく。
では最新の状況についてみていきたい。なお、本稿でのランキングは2018年9月時点で女性の管理職が10人以上いる企業を対象としている。
管理職の定義については、「部下を持つ、または部下を持たなくとも同等の地位にある者」としており、ここには「役員」(執行役員を含む)は含まれていない。また、企業ごとに管理職の基準は異なっているので、その場合は会社基準をベースにしている場合もあることに留意いただきたい。
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