「女性管理職」の登用が目立つ50社ランキング 「2020年までに30%」とする目標を掲げる政府

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政府は女性管理職比率を「2020年までに30%」とする目標を掲げ、そのための各種施策を進めている。2016年の「女性活躍推進法」施行で、企業に対して、女性の採用や管理職への登用、働き方改革などの取り組みについて、数値目標を含めた行動計画の策定と情報の開示を求めている。ちなみに厚生労働省「女性の活躍推進企業データベース」にはデータ公表企業1万422社、行動計画公表企業1万2736社の登録が行われている(2019年3月5日19:00閲覧)。

企業側でも、すでに現役世代の減少による労働力確保が課題となってきており、そのなかで女性が働きやすい環境を整備し、その能力を発揮できる体制を作り、優秀な人材を登用していくことはもはや経営課題の重要な1つとなっている。

管理職を目指して入社する女性も増えてきている

ここに興味深いリポートがある。

産業能率大学が毎年調査している「新入社員の会社生活調査」で、2018年6月に最新版が公表されている。このなかに「将来の進路として望む方向」を尋ねる設問があり、その回答の選択肢「管理職として部下を動かし、部門の業績向上の指揮を執る」を選択した女性の比率が32.8%だった。この項目でのこの選択肢の比率は2000年度の調査では13.2%だったが、2005年度には15.5%、2010年度は24.3%、2015年度は25.6%と上昇傾向を示している。

もう1つ、「目標とする役職・地位」を尋ねる設問では、社長、役員、部長クラス、課長クラスという4つの選択肢を合計した比率が41.1%と初めて4割を超えた。この比率も2000年度が23.1%、2005年度28.2%、2010年度31.5%、2015年度は34.6%と上昇を示している。

つまり、かつての女性新入社員の2~3割、近年の女性新入社員の3~4割は管理職を目指す意欲を持って入社してきたということだ。こうした女性たちの活躍を後押しするためには、長時間労働の是正やワーク・ライフ・バランスなどの「働き方改革」、時勢に合った評価・昇進の制度づくりを進めるとともに、男性の側の意識の変革も急務となってくる。

それによって単なる数値目標の達成にとどまらず、能力に応じた役割を必然的に果たせるような状況が出来上がる。多くの女性が、それぞれの企業のなかで指導的な役割を果たしてくれることを期待したい。

加藤 千明 ファイナンシャル・プランナー、「アメリカ企業リサーチラボ」運営

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かとう ちあき / Chiaki Kato

大手証券会社勤務の後、1993年7月、東洋経済新報社に入社。主に統計指標をベースとした刊行物を担当する一方、電機・化学業界担当記者としてITバブルの全盛期と終焉を経験。その後は、マクロ、マーケットおよび地域動向を主戦場に、データをもとにした分析、執筆などを行う。2005年より『東洋経済 統計月報』編集長、2010年より『都市データパック』編集長。『米国会社四季報』編集部を経て、2021年2月に退社。現在はファイナンシャル・プランナーとして活動するかたわら、アメリカ企業の決算情報を中心にSNSで発信。

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